花粉症とも闘う全日本の“進撃の大巨人” 思い出す昭和の時代を彩った外国人レスラー

花粉の季節がやって来た。花粉の飛散情報が真っ赤に染まっていく。皆さんは大丈夫だろうか? 今年も目がかゆく、鼻水が垂れ、クシャミが止まらない。「花粉症」という言葉が世間一般に通用し始めたのは、一体いつ頃からだろうか。

マスクをずらしてジャイアント・パフェを楽しむ石川修司【写真:柴田惣一】
マスクをずらしてジャイアント・パフェを楽しむ石川修司【写真:柴田惣一】

毎週金曜日午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」【連載vol.85】

 花粉の季節がやって来た。花粉の飛散情報が真っ赤に染まっていく。皆さんは大丈夫だろうか? 今年も目がかゆく、鼻水が垂れ、クシャミが止まらない。「花粉症」という言葉が世間一般に通用し始めたのは、一体いつ頃からだろうか。

「花粉症」などと言わなかったころから、今、思えば謎の不快な症状に苦しむ人は確かにいた。プロレス界でも変わりない。

 全日本プロレス「3・21」東京・後楽園ホール大会で3冠王者・宮原健斗に挑戦する“進撃の大巨人”石川修司も苦しめられていた。コロナ禍の前から「マスクが手放せない」と特大サイズのマスクを愛用していたそうだが、さすがにリング上でクシャミをしている姿は見たことがない。

 今年はまだ症状が出ていないという。「3冠戦まで何とか、このままで」と祈るような毎日なのかも知れない。

 前哨戦でタッグ戦とはいえ、フォール負けを喫してしまった。新技開発の必要性を痛感していたが、かつて“宮原殺し”(変型ファイアーサンダー=相手をファイアーマンズキャリーで抱え上げて片腕を取り、そのまま垂直に落とす)や“宮原殺し2019”(相手の背後からコブラクラッチに捉え、左足を抱え込んで反り、頭から落とすスープレックス)を生み出し、宮原を追い込んでいる。

 今回は「ジャイアント・くしゃみ」(大きなクシャミで、相手を吹っ飛ばす)は、いかがだろうか? かつて提案した時には、ただただ苦笑いしていたが、季節柄、いけるのではないだろうか。

 花粉症には外国人選手も往生していた。1968年の初来日から90年代まで、日本で大活躍した故“狂犬”ディック・マードックさんも「春に日本に来ると、クシャミが出てかなわない。鼻炎なのかな、目もかゆい。何なんだ」と、ぼやいていた。マスク着用を勧めたが、当時の米国ではマスクをする習慣がなかったのだろうか、花粉の攻撃をひたすら耐えていた。

 エキストラ出演したCMでも、撮影時にクシャミが止まらなくなってNGを連発してしまったという。鼻をすするのは、マナー違反とする文化もあってか、ひたすら鼻をかんでいた。その鼻が赤かったのも、今思えば、花粉症だったのだろう。「(花粉症は)荒くれ馬よりもタチが悪い」とでも、言いたかったかも知れない。

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