夏樹陽子、4台のポルシェを手放しフェラーリF355に20年乗り続ける理由 エンジンも文句なし

ポルシェ購入秘話「夢は簡単にかなわないからいい」

 免許を取ったのは、20歳ぐらいですね。父が厳しく、「自分でお小遣いをためて免許を取れ」と言われていたので、アルバイトをしてお金をためて免許を取りに行きました。イマドキの子はみんな親に出してもらうんですか? 免許だけじゃなくて車も全部自分で買っています。その分、大事にしますしね。人にもらってというのは一切ないですね。

 初めて運転の魅力を感じたのは、小学校のときでした。近所の酒屋のお兄さんに、私が「運転したい!」と言ったら、「じゃ、こっそりね」と言って、広場で車の運転台に座らせてくれてハンドルを持たせてもらったことがあったんです。そのときにもう楽しくて楽しくて。時効の話ですけどね。それで運転って楽しいなと思ったんです。子どもの頃は、ブランコを乗っているときに、風を切る感触もすごく好きでした。一時期、ずっとこだわってオープンカーに乗り続けたんですけど、そういう子どものころの感触を忘れられなかったというのがあると思いますね。

 18歳かな、ファッションモデルになったときに、六本木の飯倉片町にミツワ自動車というポルシェ専門のディーラーがあったんです。ショールームに真っ赤なポルシェが飾ってあって、それを見たときに「これを買おう」と決心したんですね。その夢がかなったのが10年後です。車を実際に運転するようになってからはすごく幸せでした。ショーウインドーの外から中を眺めていたのが、中から外を眺めていたという話です。

 初ポルシェを購入した日のことは今でも覚えています。朝が待ちきれなくて、朝方の4時くらいから冬の寒いときに窓全開で街に出ましたものね。911カレラカブリオレを手に入れたときは、毛皮のコートを着て、車をオープンカーにして、渋谷から赤坂見附まで何往復したか分からないです。うれしくて。明け方の寒い都内を走りましたね。ポルシェが欲しくて18歳からモデルの仕事を頑張ってきたわけだから思い入れがありますよ。

 だから思います。夢はね、10年がかりぐらいでかなうものなんですね。明日明後日で夢なんてかなわないですよ。夢っていうのは10年ぐらいかけて手に入れるものですよって、講演のときにも言っています。簡単にかなわないからいいんです。

□夏樹陽子(なつき・ようこ)三重県伊勢市出身。ファッションモデルを経て、1977年映画「空手バカ一代」のヒロイン役として女優デビュー。以後、テレビ、映画、舞台、ミュージカル、ライブやディナーショーなど歌手活動でも活躍。ジュエリーデザイナーも手がける。近年は、NHK連続テレビ小説「マッサン」、TBS系「恋する母たち」、NHK BS「山女日記3」など出演。著書「夏樹陽子キレイの秘密」(世界文化社)がある。一般社団法人日本クレー射撃協会理事。今年は10月24日芸能生活45周年記念ディナーショー(パレスホテル)を予定。

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