天心、公開“親子ゲンカ”報道にRISE最終戦相手・風音が反論「ムカつく。闘うのは俺」
那須川会長だけは風音の思いを受け止めた
3年前には天心とのあきらかな実力差を感じた風音だったが、「練習でも負けたくなかった」と話す。実際、GYMには「(天心だから)やられてもしょうがない雰囲気があるんです。それも悔しかった」と吐露した。
そんな風音に、願ってもみない話が転がり込んだ。それが「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53キロトーナメント」だった。これは-53キロの精鋭8人が昨年7月に1回戦を、9月に準決勝・決勝を争ったもの。だが風音は本命・対抗でもない、いわば大穴に近い存在。なにしろ「最初、本戦にも選ばれていなくて。予選やったんですよ。でも予選に出たときから、俺は絶対に勝ってトーナメントを取るって決めてたから。そこだけ。それを信じてましたね」。
とはいえ、失礼ながら、まさか風音が優勝するとは誰も思わなかった。
それでも風音は「優勝したら絶対に(天心と闘いたいと)言おうと思って、トーナメントに出たんです」と話した。
風音は「試合中は何も考えずに優勝することしか考えてなかった。ガムシャラにやっていただけ」だったが、首尾よく勝ち進み、決勝では優勝候補で、天心とも闘った経歴を持つ志朗と対戦。延長ラウンドまでもつれ込んだものの、判定でこれを下し、悲願の優勝を果たした。
風音は言う。
「優勝するだろうじゃなくて、優勝するって決めてました。絶対に取るって。そこだけは揺るがなかったですね」
そして試合後に「どうしても言いたかった」と天心への挑戦を表明。「いつもGYMではボコボコにされているけど、僕は世界一になりたい」とアピールした。当然、誰もがその発言に驚いた。
「会長にも言ってなかったから怒られるのかなと思って、『すみません』って言いました。でも、あそこで言っておかないと後悔するし、タイミングとしてはここしかないと思って」
風音の対戦表明を受け、すかさず天心は「100年早い」と反応。伊藤代表も「考えにくい」旨の見解を残していたが、唯一、真逆の反応を示した人物がいた。風音のセコンドに付いていた、師匠・那須川会長だった。
「もしそうなったらお前に付くし、その権利は絶対にある。あのトーナメントを取ったんやから。それは間違いない」
風音に対し、那須川会長はそう伝え、そこから静かに月日は流れていった。
年が明け、2月に入ると、正式に天心のRISEラストマッチの相手が風音と発表された。
「1月の半ばだと思うんです。ほぼ確定みたいになったのは。テンション、上がりますよね。あ、来たかって。すごい興奮した覚えがありますね」