ノブコブ徳井が考察する芸人たちの「絶望」と「成功」 背中を押した東野幸治の言葉
運命を変えた東野幸治の一言「徳井は喫茶店のマスターみたくなったらええねん」
そんな徳井の背中を押したのが、本書のきっかけも作った先輩芸人・東野幸治だ。吉本芸人の秘話をつづったコラム集「この素晴らしき世界」(新潮社)を連載・出版した東野から、コラムの後任に「ノブコブ徳井くんがええんじゃないか」と指名されたのが連載のきっかけだった。
その3年前、東野の番組に呼ばれ、言われたのが「徳井は喫茶店のマスターみたくなったらええねん」の一言。困っている若手や伸び悩んでいる先輩の話を聞いたうえで、あったかくておいしいコーヒーを出す、「そんな存在になったらええんちがう?」と。
「ある意味、徳井くんはおもしろいけど、ゴールデンのMCになれるタイプじゃないと言ってくれた気がした。マスター的な人になれるとしたら僕が1番だとも受け取れて、東野さんが言ってくれるなら正々堂々そっちに行こうかなと思った」
芸人の多くが、いじめやひどい子ども時代を体験し、「救いになったのが芸人だった。ダウンタウンさんがいなかったら結構不幸な形になってる若者、僕ら世代には多いと思う。そういう救いになる芸人さんをマスターとしてサポートしていきたいですね」。
徳井のマスターへの道は続く。
□徳井健太(とくい・けんた)1980年9月16日、北海道出身。東京NSCで同期の吉村崇と2000年にお笑いコンビ「平成ノブシコブシ」を結成。テレビ番組「ピカルの定理」などで活躍。YouTubeチャンネル「徳井の考察」を開設。芸人やお笑い番組を愛情たっぷりに「考察」する活動で注目を浴びている。趣味は麻雀、競艇など。