【週末は女子プロレス#39】東京女子の有力選手、“バッサリ”ショートに変身 漫画キャラも意識

「全部プロレスを考えて生きてます」と覚悟を決めている中島翔子【写真:(C)東京女子プロレス】
「全部プロレスを考えて生きてます」と覚悟を決めている中島翔子【写真:(C)東京女子プロレス】

「山下に勝つのとタイトル奪回。どっちも重要ですよね」

 4人全員が“プロレス初心者”で、実績ある選手は皆無の団体は未来が見えない旗揚げ前、そんな不安は共通していたが、東京女子発足の会見時にはまだいなかったことも関係しているのだろう。中島ひとりが浮いたような状態。少なくとも本人はそう感じていた。が、山下をはじめまわりの選手たちの姿から、ついに中島も“本気”になる。

「みんなプロレスラーになりたくてすごく頑張ってた。自分だけ挫折してここに来たという違いがずっと後ろめたくて…。だからちゃんとプロレスラーになりたいって思ったんですよね」

 13年12月の旗揚げを経て、そこからはプロレス、東京女子一筋。“1・47メートルの大怪獣”の誕生からさまざまな出来事を体感した。東京女子には欠かせない選手へと成長したのである。しかしながら、団体のエースは山下というイメージが強い。実際、中島もそんな山下に羨望のまなざしを送る。

「ここ数年で後輩が増えたりとか、いろんな経験の場を踏んで、周りを引っ張り上げるみたいな形に変わってる感じがします。たとえば大田区の試合後、選手全員を呼び込み先頭に立って大会を立派に締めたじゃないですか。昔とは全然違うなと思って、今の山下は本当に尊敬できる、団体の顔だなって思いました」

 そんな山下とは過去、プリンセス王座を懸けて2度対戦し、1勝1敗。16年1・4後楽園は記念すべき“第1回イッテンヨン”で、新設のプリンセス王座を争い山下が初代王者に輝いた。2度目は19年5・3後楽園で、中島が山下を破り同王座初戴冠。このベルトは3度防衛の後、同年11・3DDT両国で坂崎ユカに奪われた。2年4か月ぶりの奪回を目指す中島だが、考えてみれば両国のリングに2度上がり、デビュー戦と坂崎戦で2連敗、まだ一度も勝ったことがない。しかし今度は東京女子単独の両国で、しかもデビュー戦で組んだ山下とのメインイベント。何かとゆかりのある両国が、決着の場となるのである。

「山下に勝つのとタイトル奪回。どっちも重要ですよね。山下個人にも思い入れがあるし、ベルトへの思い入れもある。ただ、団体全体として上がってきた大舞台なので、個人的な感情だけで終わらせたくない。自分たちの歴史だけなぞりたくない気持ちがあるんですよ。最近入ってきた荒井優希(SKE48)、鈴芽、遠藤有栖、宮本もか。もちろん、(角田)奈穂さんも、いろんな人が集まってきての現在進行形だから、デビューした思い出の地で、この2人が試合するってだけにしたくない感じがあります。団体全部を背負ってやりたいって気持ちですね。それこそメインに立てなかった全員分の気持ちを背負う覚悟で闘いますよ。自分で勝手にそう思ってるだけですけどね(笑)」

 3・19両国は、年々規模を拡大してきた東京女子の現時点における集大成。だからこそ山下VS中島のタイトルマッチは必然であり、レギュラー選手全員が積み重ねてきた現在進行形の東京女子を思う存分披露する場でもある。メインのプリンセス王座戦、山下VS中島を筆頭に、インターナショナル・プリンセス王座戦、伊藤麻希VS荒井優希も東京女子が築いてきた世界観のたまものであり、ともに未来を提示する闘いにもなるだろう。

 東京女子にささげてきた中島のプロレス生活。「もしかしたら(3・19両国メインは)最初で最後のビッグチャンスかも」と、“1・47メートルの大怪獣”は決意を込めてリングに上がる。そんな中島にとって、プロレスとは何なのだろうか。

「私のすべてです。なくてはならないし、プロレスのない世界で生きてるのが想像できないし、やめるとかも想像できないです(笑)。生活の主体となってて、朝起きてトレーニング行ってとか、何時から道場に行ってとか、ご飯食べるのもタンパク質がどうとか考えてるし、全部プロレスを考えて生きてますね。もうプロレス以外ありえないし、プロレスのことをしている以外は休み、ちょっとの自由時間みたいな感じです。ちょっと遊ぶ時間があって、あとはプロレス。プロレス(にかかわってる時間)以外は休み時間です(笑)」

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