東京五輪金メダリストのライバルだった天才レスラーの今 中村倫也はMMAで世界目指す

インタビュー中も終始笑顔を欠かすことのなかった中村倫也
インタビュー中も終始笑顔を欠かすことのなかった中村倫也

見せたいものは「元気に月曜から頑張ろうってなれる試合」

 太田忍など日本のMMA界にはオリンピアンもいる。中村はレスラー出身のファイターに特別な感情を抱いていた。

「相手として意識するというよりは、一緒にレスラーの強さを見せて、バンタム級をひっかき回したいという気持ちが強い。レスラーやばいですよねって言わせたいですね」とニヤリと笑う。

 とはいえ、MMAでの最強レスラーを知りたいというファンは多い。その上で「今の段階でお互いどっちが勝っても得るものよりも、どちらかが失うものの方が大きいのかなと思う。その対決に意味はあまりないと思います」と冷静に分析した。

 バンタム級といえば、昨年大みそかに行われた格闘技イベント「RIZIN.33」でのトーナメントが記憶に新しい。朝倉海、UFC参戦経験のある井上直樹、修斗出身でトーナメントを制した扇久保博正をどう見ているのか。

「触れてみたい気持ちはもちろんあります。間合いとか感覚とか。やはり触ってみないと分からない部分は絶対ある。(RIZINに)混ざってどうこうするというよりは海外UFCに最短距離で行くなかで、誰かを食っていきたいですよね」と闘争心をあらわにした。

 夢は“世界最強”UFC。中村は「ひとりの力では、あの舞台に絶対に行けない。そういう意味では大きな力を借りて、日本を巻き込んで行きたい。人知れずUFCと契約しましたってツイッターとかで少しは盛り上がる程度。格闘技関係者の中で盛り上がるというよりは、多くの人に見てもらいたいです」と描くプランを明かした。

 格闘技界だけにとどまらない存在が理想だ。「老若男女、例えばおじさんが元気に月曜から仕事頑張ろうってなれるような試合をしたいですね」と力を込めた。

 母の膝の上から格闘技の“刺激”をもらった少年はMMAファイターになった。次は中村のファイトで新たな格闘家が生まれるかもしれない。

□プロ・アマ戦績問わず出場可能な格闘技イベント「『EXFIGHT-4』road to POUND STORM」が2月27日に開催される。ABEMAで午後6時から完全生中継。LDH主催「FIGHTER BATTLE AUDITION」の様子を追いかけた密着番組ABEMA「格闘DREAMERS」でも注目を集めた“イケメン格闘家”鈴木崇矢も出場予定だ。

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