東京五輪金メダリストのライバルだった天才レスラーの今 中村倫也はMMAで世界目指す
レスリングで数多くの実績もすべてはMMAのため
花咲徳栄高、専大とレスリング技術を磨き、2017年にはU-23世界選手権で優勝の実績を持つ。輝かしい肩書も全てはMMAファイターになるための基礎固めだった。
幼少期はジムが遊び場だった。「初めての練習がいつだったかとかは覚えていないですね。ジムはお兄ちゃんが遊んでくれるところでした」と当時を振り返った。
そのジムこそが山本“KID”徳郁を始め、数々のファイターが汗を流した「PUREBRED」(埼玉県)だ。中村は「山本美憂先生が指導者にまわるから、山本アーセンとジムの近くに住んでいる倫也と一緒にレスリングを始めない? と言われたらしくて」と意外なつながりを明かした。
物心が付く前からレスリングと触れ合っていたが、中村には思い出したくもない地獄の日々があった。
「中学生から高校生に混じって練習していました。ウォーミングアップで腕立て800回、腹筋400回、背筋200回とか。筋トレを1時間やってレスリングが始まって、2対1のスパーがあったり……」と耳を疑うようなラインアップを披露する。極めつけは「夏の熊谷で馬飛びを3時間半、10人以上列になってやったりしていました。屋外だったので、見ていた市民に通報されて練習ストップに。軍隊式の練習でした。あの時期は日本で1番練習していた中学生だった自信がありますよ」と思わず苦笑いだった。
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東京五輪金メダリストの乙黒拓斗とはライバル