eスポーツ大会でも新型コロナ影響で異例「無観客試合」 選手たちの喜怒哀楽に肌で感じた情熱 

eスポーツ大会では異例といえる「無観客試合」が開催された。2月29日に東京・ユナイテッドシネマ アクアシティお台場で行われたスマホアプリゲーム「モンスターストライク」(モンスト)のプロチームが争う「モンスト プロツアー 2019-2020」の2019年度王者を決めるツアーファイナル。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける格好となったが、今季のツアーを締めくくる今大会にも選手たちの強い思いがあふれていた。

無観客試合で行われた「モンスト プロツアー 2019-2020」ツアーファイナル
無観客試合で行われた「モンスト プロツアー 2019-2020」ツアーファイナル

スマホアプリゲーム「モンスターストライク」決勝大会開催 主催者「非常に難しい判断」

 eスポーツ大会では異例といえる「無観客試合」が開催された。2月29日に東京・ユナイテッドシネマ アクアシティお台場で行われたスマホアプリゲーム「モンスターストライク」(モンスト)のプロチームが争う「モンスト プロツアー 2019-2020」の2019年度王者を決めるツアーファイナル。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける格好となったが、今季のツアーを締めくくる今大会にも選手たちの強い思いがあふれていた。

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 初戦の開始を告げるカウントダウン。ステージ上で参加チーム「アラブルズ」の選手が、無人の座席に向け、「盛り上がっていこうか!」と大きな声で叫んだ。約4か月に及ぶツアーの決勝に位置付けられたこの日のツアーファイナル。レギュラーシーズンで上位4位に入ったアラブルズ、GV、【華】獣神亭一門、今池壁ドンズαの4チームが熱戦を展開した。

 映画館のスクリーン前方に設けられたステージ。4人1組のチームが横一列に並んで、ゲーム対戦をする。チケットを売り出していた客席はすべて空席に。それでも、スクリーンにゲームの進行が映し出され、熱のこもった実況解説や照明・BGMで盛り上げの演出がなされた。選手たちは勝って抱き合い、ガッツポーズで喜び、負けて悔しさをあらわにした。

 全国的にイベント自粛が相次ぐ中で、無観客試合の実施。「XFLAG」ブランドとして事業を運営するミクシィの比奈本真・ライブエンターテインメント事業部部長は「エンターテインメントを提供する者として、非常に難しい判断ではありましたが、お客様の健康・安全を考慮することは勿論、出場いただく選手にも意見をヒアリングし、総合的に判断を下しました」と開催理由をコメントした。当日、スタッフはマスクを着用し、入り口などにアルコール消毒液が設けられた。報道陣もマスク着用で取材に臨んだ。

 今季は全国6会場で7大会を行ったレギュラーシーズンを含めて、試合の様子をYouTubeで中継配信。この日も生配信された。eスポーツは動画配信での鑑賞・観戦のイメージはあるが、試合会場で“熱気”を感じながら観戦し、思いを込めて応援するのも醍醐味のひとつだ。

 普段のモンストの大会では、ファンや選手の家族・友人らが会場に駆け付け、スティックを持って応援する姿が見受けられる。好きなチームや選手に試合会場で声援を送るサッカーや野球といったリアルスポーツと同じような光景が広がる。

 ツアーは今季、全席を有料化。関係者によると、今回のツアーファイナルは約430席が完売見込みだったという。チケット購入者には代金を返金し、希望者にはチケットに付属するポスターなどのノベルティーを送る取り組みを実施。さらに、試合を盛り立てるためSNSで応援メッセージを募集して配信時に反映させる企画も行ったという。

 試合は、SNSを通じて結成されたアラブルズが優勝を遂げた。試合を終えて、リーダーのKEVIN選手は「正直、普段の試合とは違って、難しかったです。知っている人の声が飛んでこない状況でした。観客とのコミュニケーションを含めてやっているものだと、観客のありがたみを実感しました」と話した。チームの特徴である声出しのパフォーマンスにも全力だったRitoはん選手は「画面の前で見てくれている人たちにはいつも通りを見せないと、と考えていました。無観客試合でさびしかったですが、応援してくださった方に声が届いたと思います」と振り返った。オンライン上の試合だが、大きな情熱を肌で感じられた。

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