歴史好き芸人・房野史典×歴史研究家・河合敦 異色タッグで歴史本執筆の理由

房野史典と河合敦によるトークショーの様子【写真:ENCOUNT編集部】
房野史典と河合敦によるトークショーの様子【写真:ENCOUNT編集部】

近現代が専門の河合「専門に入る前に終わってます(笑)今回売れたら第2弾で」

――房野さんから見て、河合先生はどのような存在ですか?

房野「僕は心の中で勝手に師匠って呼んでいます。分かりやすく教えてくださるし、語り口調もやわらかいですし。先生は学校で歴史を教える時もご苦労されてきたので、そういうバックボーンからも、こんなにやわらかい口調で分かりやすく教えてくださるんだと思います」

――学校現場で歴史を教えるにあたって、大変なこともあるのでしょうか?

河合「歴史は、嫌いな子は嫌いなので……。世界史を選択しようと思っている子は日本史のことは聞かないので、それをどうやって聞かせていくか。今は日本史と世界史の横のつながりがないのですが、2022年度の4月から日本史と世界史を合わせた『歴史総合』という科目ができます。そうしたら、つながりも分かりやすくなるかもしれません」

――日本史も世界史も重なり合っているから、両方学べると面白いですね。特に近現代から難しくなりますし。

房野「河合先生はまさに近現代ご専門です」

――今回は飛鳥時代から始まって幕末で終わっていますが……。

房野「先生の専門分野にこれから入るぞ!ってところで終わってます(笑)。幕末は近現代のプロローグ。先生の専門はそこからなのに……」

河合「専門に入る前に終わっています(笑)」

――近現代は続編で?

河合「今回売れたら第二弾ですよね」

房野「まずは僕の知識のインプットから頑張って、河合先生と近現代やってみたいな」

――読者の方にメッセージをお願いします。

房野「1回、買ってみましょうか(笑)。歴史が好きな方、ちょっと好きな方が一番面白い本です。歴史を全然知らない方は、これを最初の一冊にしてみてもらえませんか?」

河合「あんまりこういう本はないです。笑いながら歴史を学べるところが面白いと思います。笑っているうちに歴史が頭に入って来る。そこが魅力ですね」

後編(トークショー)へ続く

□房野史典(ぼうの・ふみのり)1980年10月23日、岡山県井原市生まれ。名古屋学院大学卒。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「ロクモンジャー」を結成するなど意欲的に歴史普及活動を行っている。YouTubeなどで子どもたちに歴史の面白さを教える授業も好評で、歴史専門家からの信頼も厚い。主な著書に「笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代」「笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語」「13歳のきみと、戦国時代の『戦』の話をしよう。」(幻冬舎)、「時空を超えて面白い!戦国武将の超絶カッコいい話」(三笠書房)など。

□河合敦(かわい・あつし)1965年、東京都町田市生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。都立紅葉川高校、都立白鴎高校、文教大学付属高等学校などを経て現在、多摩大学客員教授。早稲田大学で非常勤講師もつとめる。第17回郷土史研究賞優秀賞(新人物往来社)、第6回NTTトーク大賞優秀賞、2018、21年雑学文庫大賞(啓文堂主催)。「歴史探偵」(NHK)や「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などメディアにも多数出演。主な著書に「早わかり日本史」(日本実業出版社)、「逆転した日本史」(扶桑社新書)、「渋沢栄一と岩崎弥太郎」(幻冬舎新書)など。

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