【カムカムエヴリバディ】算太が再登場 空白の30年間にNHK「性格は変わっていない」

NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第79回が2月22日に放送され、初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の兄・算太(濱田岳)が約2か月ぶりにテレビ画面に登場した。昨年12月の放送では安子と和菓子屋を開こうと貯金した資金を持って失踪していた。物語上は、それから約30年たち年齢は60代の設定。これまでどんな暮らしをしていた設定なのか。なぜ、このタイミングで算太が登場したのか。舞台裏を演出の安達もじり氏に取材した。

撮影現場に現れた算太(濱田岳)【写真:(C)NHK】
撮影現場に現れた算太(濱田岳)【写真:(C)NHK】

2か月ぶりに画面に 物語上は約30年の時が流れ年齢は60代の設定

 NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜、午前8時)の第79回が2月22日に放送され、初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の兄・算太(濱田岳)が約2か月ぶりにテレビ画面に登場した。昨年12月の放送では安子と和菓子屋を開こうと貯金した資金を持って失踪していた。物語上は、それから約30年たち年齢は60代の設定。これまでどんな暮らしをしていた設定なのか。なぜ、このタイミングで算太が登場したのか。舞台裏を演出の安達もじり氏に取材した。

「濱田さんは年上の俳優の方よりも年上の役を演じないといけないことを、大丈夫かなと話していましたが、老けメイクなどを探りつつ、細かい動き、姿勢も見事に表現してくださいました。うまくいったと思います」

 ドラマでは2代目桃山剣之介(尾上菊之助)のCM撮影時に、桃剣の知人として突然現れ、CMにダメ出しして洋風なダンスを入れた振り付けに変えた。安子編ではダンスの世界で身を立てようとしたこともあったが、今回はどんな設定なのか。

「ドラマで描かれてない中でもダンサーなのか、振付師なのか、基本的にはダンスホールのような所から離れず生きた人だという裏設定にしています。時代も大きく変わる中で苦労もあったでしょうし、クラブの経営者であった時期もあったかもしれませんが、再登場した時点では、振り付けを主な仕事としてやっている設定でやりました。売れっ子の振付師ではなく、地道にやってきた設定。大儲けしている設定ではないイメージです」

 性格的な設定はどうか。

「何も変わっていないという設定です。見た目だけが老けたのと、それなりに人生を積み重ねてきた深みはあるにせよ、性格は変わっていないという形で作りました」

 このタイミングで登場した背景も気になる。

「脚本家の藤本有紀さんの中でいくつかのパターンの構想があって、物語の流れの中で最も効果的な再登場のタイミングはどこだろうということを、藤本さんと議論しながら考えていきました。最終的には、2代目モモケンである元団五郎と関わりがある存在として出てくる形を藤本さんが考案し、こういうタイミングでの再登場となりました。もともと、ひなたが小さい頃に再登場というパターンも案としてはありましたが、結局、そっちよりはこのタイミングがいいのではということで現状の形になりました」

 劇中ではモモケンが算太の振り付けによるダンスを踊っていた。演じた菊之助のダンスは新鮮だった。

「菊之助さんは非常に前向きにやってくださって、本当にすごいと思いました。1つ1つの動きが、形が決まると言いますか、さすがです。和も洋も問わず体の使い方は秀でた方だとあらためて感じました。美しいと思いながら見ていました。あそこは算太さんの再登場で初めて撮ったシーン。ダンス指導の先生が、そこに算太の思いがあるという意味合いで、算太がかつて踊っていた振り付けに近い要素をたくさん入れた振り付けをしてくださいました。濱田さん自身は、再登場に対して少し不安を抱えて現場に入ってらっしゃったこともあったのですが、あのダンスを見て、「本当に算太がここに生き続けてきたんだということを感じて勇気をもらいました」とおっしゃってくださいました。ちょっとした振り付けの一つで算太の人生みたいなことを描きだせたのかなと、うれしく思いました」

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