映画「ホテルアイリス」（奥原浩志監督）の公開記念舞台あいさつが19日、都内で行われ、出演する永瀬正敏、菜 葉 菜、寛 一 郎が監督と共に登壇。司会をタレントで映画コメンテーターのLiLiCoが務めた。

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　海沿いの小さなホテルを舞台した中年男と若い女性の倒錯の愛を描いた作品で、永瀬は謎めいた中年の翻訳家を演じた。

　劇中の永瀬についてLiLiCoが、「『舌を出しなさい』と言われたときに出しちゃいました」と告白すると、菜 葉 菜も「永瀬さん、ものすごく声がいいんですよ。『舌を出しなさい』もあの声じゃないと成立しない」と絶賛を重ねる。女性陣の相次ぐ指摘に永瀬も大照れで、「なぜか、うれしいですね」と言葉少なに喜びを伝えた。

　役作りについては「原作に漂う現実なのか夢なのか、浮遊感を大事にするためにはどうすればいいのか、監督とご相談してやっていったというのが1番ですかね」と永瀬。「原作は僕より（年）上なので、僕ぐらい（の年齢）まで落とし込むにはどうすればいいのか、現場でご相談してみんなで作っていったという感じですね」と明かした。

　永瀬の役作りを奥原監督は驚いたようで、「初日、いきなり撮影から始まったんですが、最初の歩き方を見たときに、これは翻訳家だと思いました」と振り返った。

　舌を切除したためにしゃべれない役を演じた寛 一 郎は「せりふがなかったんで、せりふを覚えて（撮影現場に）行かなくていいのはすごく幸せだったんですけど、その分、説得力を持たせるための何かが必要だった」と、難しさを打ち明けた。

　役に没するために撮影現場でも極力しゃべらないことを心掛けたようで、「初日にあいさつしても全然しゃべってくれない。一言も声を出さない。そういう気持ちで来てくれたんだな」と奥原監督。

　そんな努力をなんとも思っていなかったのが、台湾の新人女優の陸夏（ルシア）だった。寛 一 郎は「しゃべれないように心掛けていたのに、陸夏ちゃんがすごくしゃべりかけてくる、という拷問をしてきた」と振り返り、笑顔で嘆いた。