人気声優・土岐隼一「僕はコンプレックスの塊だった」 “完璧”求め苦悩…弱さ認めて得た自信

音楽と手紙で紡がれる文通アイドルプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」のメインキャラクターの1人、冥王院シンを主役にしたボイスドラマ「Prince Letter(s)! フロム 冥王院シン」の配信が、22日午後11時からスタートする。孤高の存在として一目置かれているシンを全7話でひも解く作品で、人気声優でアーティストの土岐隼一がシンの声を務めた。配信開始を前にENCOUNTのインタビューを受けた土岐は、シンと自身を重ねながら「人に弱みを見せられないタイプだった」と振り返り、コンプレックスとも闘ってきた意外な素顔を見せた。

人気声優・土岐隼一の素顔に迫った【写真:舛元清香】
人気声優・土岐隼一の素顔に迫った【写真:舛元清香】

新作配信を前に土岐隼一にインタビュー

 音楽と手紙で紡がれる文通アイドルプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」のメインキャラクターの1人、冥王院シンを主役にしたボイスドラマ「Prince Letter(s)! フロム 冥王院シン」の配信が、22日午後11時からスタートする。孤高の存在として一目置かれているシンを全7話でひも解く作品で、人気声優でアーティストの土岐隼一がシンの声を務めた。配信開始を前にENCOUNTのインタビューを受けた土岐は、シンと自身を重ねながら「人に弱みを見せられないタイプだった」と振り返り、コンプレックスとも闘ってきた意外な素顔を見せた。(取材・文=西村綾乃)

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「Prince Letter(s)! フロムアイドル」は全国からアイドル志望者が集まるエリートアイドル育成機関・私立常和歌学園を舞台に、冥王院シン(土岐隼一)と亜月アキト(土田玲央)、yuzu(堀江瞬)からなるアイドルユニットのSTAr(s)! が夢に向かって切磋琢磨する物語だ。プロジェクトは昨年4月に本格始動し、同6月にアキト、同10月にyuzuのボイスドラマをYouTubeチャンネルや、ニコニコ動画で公開。第3弾としてシンのドラマ配信が決まり、土岐が見どころを語った。

「アキトから始まったボイスドラマは、yuzuくんから、僕が演じるシンへとバトンが渡ってきました。ノヴァ公演でデビューを決め、舞台『CLOCK』を成功させた後どうなっていくのか。シンを深く掘り下げる内容にもなっているので楽しんでいただきたいです。シンが抱えていた痛みと向き合う場面もあります。閉じ込めていた心の問題を解消することは生半可なことじゃできないので、シンが葛藤する様子などからは、これまで見たことがないギャップを感じる部分もあると思います。人間くさい部分など、共感できるところがたくさんあるはずです」

 幼少期に祖父と暮らしていたシンは、浮世離れした部分がある高校2年生。土岐は演じながら、シンと自らが重なる部分を感じたという。

「僕が一番近いと思うところは、失敗をしたり、人とぶつかったときに『自分が悪い』と感じるところです。人に弱みを見せることができないところが似ています。20代の頃の僕は、仕事はもちろん、生き方についても『失敗しないように』『隙を見せないように』と武装していました。準備を万端にしないと怖かったんですね。でも、隙がない人間は『とっつきにくい人』って印象になるなと気付いて、肩ひじを張らずに生きてみようと。まだ、全然できていないですけれど、少しずつ柔軟になって視野が広がったように思います」

ボイスドラマ「Prince Letter(s)! フロム 冥王院シン」では主役・冥王院シンを演じる【写真:舛元清香】
ボイスドラマ「Prince Letter(s)! フロム 冥王院シン」では主役・冥王院シンを演じる【写真:舛元清香】

 物語の舞台となる私立常和歌学園は全寮制。インターネットの使用は認められず、メールやSNSも禁止されている。伝えたい思いは時間をかけて「手紙」に込める文通部のアイドル候補生たち。受け取った言葉の花束は、それぞれが動く力へと変えている。土岐自身は、中学校の卒業式当日、国語を担当していた担任教師から贈られた言葉が忘れられないという。

「先生はシンくんと少し似ていて、フレンドリーとは相反するようなタイプの方でした。でも、根はとても優しくて、式の後、教室に入ってこられたときに、涙ぐみながら『みんなのことを大切に思っている。1年間、一緒に過ごすことができて良かった』と話してくださり、ジワジワきていました。その後、『女の子は道に咲いている枯れそうな花を見て見ぬふりをしない人になってほしい。男の子はその花を介抱している女の子を一緒に助けてあげられるような人になってほしい』と涙ながらに続けられて……。僕は紡がれた優しい言葉にボロボロと泣きました。言葉で泣いたのは人生で初めてのことで、言葉の力ってすごいなと思いました」

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