【RISE】「年俸120円」元Jリーガー・安彦考真「やっと格闘家と名乗れる」 元西武・相内を1RKO
標的にされた“RISEドリーム”YA-MAN
そして出てきたのが次の言葉だ。
「やっと名乗れる、格闘家って。やっと言えます」
同大会では那須川天心が風音を相手にRISEラストマッチを行う注目の大会となるだけに、「スーパーポジティブモンスター」と呼ばれる、安彦の参戦が実現すれば、またひと味、違った味付けが加わることになるが、先述通り「Exsective FIGHT 武士道」に出場するとなると、関係者からすれば、時間的に今回は難しいと判断される可能性は低くないだろう。
それでも安彦にとっては「慌てずに、お楽しみはその先」という雰囲気なのかもしれない。
なお、「RISE」のOFGマッチといえば、大みそかの「RIZIN.33」(さいたまスーパーアリーナ)で皇治から勝利を奪ったYA-MANが、昨年、この試合形式に挑み、ブレークしたことで、その後の皇治戦へとつながった。第2のYA-MANは誰になるのか――。
その部分でも注目されたが、やはり勝利した各選手の口から出て来るのは、ほぼYA-MANの名前ばかりだ。それだけ大みそかのインパクトは絶大だったという証明であり、改めてYA-MANが狙う側から狙われる側に変わった瞬間だった。
ともあれ、今大会は全6試合中、3試合がKO決着。それ以外の3試合の壮絶な打ち合いばかり。その点では、RISEの伊藤隆代表も十分、満足のいく出来だったのではないかと推察する。
また、“RISEドリーム”と呼ばれるYA-MANに続き、OFGの試合形式で爆発したのは安彦と言っていい気がするが、この辺は各々によって意見が分かれるだろう。
伊藤代表によれば、次の「RISE FIGHT CLUB」の開催は3、4か月後とのことだが、その間にどんな展開が起こっていくのか。予想するのは非常に難しい。それだけに面白いとも言える。そんな新企画だった。
やはり一歩踏み出した初モノは、思っても見なかった場面を現出させる。「前代未聞」「前人未到」「史上初」「一番乗り」……。どれも意味合いは似ているが、それだけ最初に行動を起こし、目的地に到達した者は称賛される。それは「予測不能」を制したからこそ。だとすれば格闘技界の明るい未来は間違いなくその先にある。