東京都医師会、子どもへのワクチン接種は「同調圧力で打たせるのは反対」

東京都医師会の定例記者会見が8日、都内で行われ、子どもへの新型コロナウイルス感染やワクチン接種について、初めて都医師会としての専門的な見方が示された。

小児科医の川上一恵理事が会見【写真:ENCOUNT編集部】
小児科医の川上一恵理事が会見【写真:ENCOUNT編集部】

会見ではこの日初めて小児科医の川上一恵理事が登壇した

 東京都医師会の定例記者会見が8日、都内で行われ、子どもへの新型コロナウイルス感染やワクチン接種について、初めて都医師会としての専門的な見方が示された。

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 会見ではこの日初めて小児科医の川上一恵理事が登壇。新型コロナウイルスの子どもへの感染について「ここにきて少し小児の割合は増えているが、報道で言われているほど子どもが中心ではない。大多数は軽症だが、中には中等症や稀に重症も見られる。重症化の多くは2歳未満や基礎疾患がある子。0歳児の発症もたくさん見ているが、皆さん自宅で経過観察が可能。症状は38~39度の発熱で、1日から長くても3日間くらいです」と冷静な報道を呼び掛けた。

 現在、都内では多くの学校や保育園が閉鎖に追い込まれ、親の就労をいかに確保するかが喫緊の課題となっている。この状況について、川上理事は「感染経路のほとんどは家族から。外に出ているお父さんやお母さん、年上のお兄さん、お姉さんからうつっている。よく保育園や学校で広まっているんじゃないかと言われるが、学校や保育施設が対応が早いのでクラスターはあまりない」と説明。

 その上で「ただ1人出ただけで閉鎖となるので、報道にあるような学級閉鎖や保育閉鎖などの問題が起きている。1人感染したら濃厚接触者を12~13人休ませてというのでは学級が成り立たない。現在は各学校と学校医の判断で行われており、基準が学校によってまったく違う。学級閉鎖の基準がないことが問題」と指摘する。

 5~11歳へのワクチン接種については「基礎疾患がある子にはその子自身を守ることにつながる」と効果を認めつつ、「他の子たちの接種が進めばクラスターが避けられるかというと、大人でもそんなことはない。ワクチンに関しては、やりたい、やったほうが安心できるという子も一定数いる。ワクチン接種することで運動会や修学旅行などの行事ができるようになるのなら実施するメリットもあると思う。ただ、やりたくない子にも同調圧力で打たせるのは反対」と話した。

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