「骨は折れても、心は折れていません!」 “熱い男”青木優也が歩む復活ロード

「骨は折れても、心は折れない!」。大日本プロレスの熱い男・青木優也が力強く宣言した。2・2東京・後楽園ホール大会のセミファイナルで、シングルリーグ戦「一騎当千」公式戦・関本大介戦に臨んだ青木は、ゴング直後から積極果敢に攻撃を仕かけた。ところが場外の関本に向けたトぺ・コンヒーロで着地に失敗。そのまま動けなくなり、リングアウト負けを喫した。

「熱い男」青木優也の心は何があっても折れない【写真:柴田惣一】
「熱い男」青木優也の心は何があっても折れない【写真:柴田惣一】

関本大介戦で着地に失敗、たんかで運ばれる

「骨は折れても、心は折れない!」。大日本プロレスの熱い男・青木優也が力強く宣言した。

 2・2東京・後楽園ホール大会のセミファイナルで、シングルリーグ戦「一騎当千」公式戦・関本大介戦に臨んだ青木は、ゴング直後から積極果敢に攻撃を仕かけた。ところが場外の関本に向けたトぺ・コンヒーロで着地に失敗。そのまま動けなくなり、リングアウト負けを喫した。

 わずか2分37秒の幕切れ。異変を察知した選手たちが、血相を変えて次々と駆け寄る。担架で運ばれる青木。場内は騒然となった。

 不完全燃焼の結末となったが、関本は「アクシデントがあったけど、そんなこと言っていられない。これで4連勝。このまま勝ち続けて、ぶっちぎりで優勝する。勝ち上がって優勝して、また青木とやりたい」とキッパリ。意外にも一騎当千の優勝経験がない関本。初制覇への熱い思いを改めて訴えた。

 青木への心配で会場全体が沈んだ空気の中のメインイベントは、野村卓矢vs中之上靖文の「一騎当千」公式戦。野村は昨年9月の札幌決戦で、中之上からBJW認定世界ストロングヘビー級のベルトを奪取する前の7月の後楽園決戦でも王者・中之上に挑戦している。この時は時間切れ引き分けだった。「後楽園でも中之上にも勝つ」と聖地での勝利にこだわっていた。

 激しい攻防の末、野村がドラゴンスープレックスホールドで勝利。「今、コロナもあって客席はオレンジ(空席)が多いけど、俺がチャンピオンになったら必ず、この後楽園ホールを超満員にしてみせるから期待して下さい! あと、青木は熱い男だから、もっともっと強くなって帰って来るんで、みんな青木の復活を期待して下さい」とアピール。聖地に温かい万雷の拍手が巻き起こった。

 立場が人を作ると言うが、野村は前の試合のアクシデントで冷えてしまった客席を盛り上げメインの役目を全うした。そしてすぐ下の後輩である青木を気にかけ大会を締めた。試合後、汗をぬぐうことなく売店に直行。チャンピオンを経験したことで貫禄もついた。「野村選手は立派になったね」と感慨深そうなファンの声があちこちから聞かれた。

 青木は、左脛骨と左腓骨を骨折していた。4日の手術前には「今回は、自分の試合を楽しみにして下さった方、応援してくれる方、ご心配をおかけして申し訳ございません。骨は折れていますが、心は折れていませんので、心配ご無用です! また皆様の前で闘えるのを楽しみに、そして励みにして、今は治療に専念したいと思います」という熱いメッセージを寄せてくれた。

 翌5日には「昨日、無事に手術が終わりました。今は痛み止めをのんではいるのですが、激痛と闘っています」と、痛みの中でも事後報告を忘れない。見た目通りの誠実な男はリハビリを始めており、退院に向け頑張っている。一日も早く良くなってほしいと願うばかりだ。

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