英語力で平均年収に大きな差 40~50代女性では1.6倍、年齢が上がるにつれて顕著に

日系企業よりも年収が高いイメージを持たれている外資系企業。コロナ禍においては、外資系・グローバル企業の求人が一時的に減少する状況になったが、人材の動向はどうだったのだろうか。ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」が、同サイト登録者の英語力および企業からのスカウトデータをもとに、英語力が年収に与える影響について独自調査を実施。英語力の違いによって、50代の男性で1.3倍、40~50代の女性で1.6倍の年収差があることが明らかになった。

英語力の違いによって、50代男性で1.3倍、40~50代女性で1.6倍の年収差があることが明らかに
英語力の違いによって、50代男性で1.3倍、40~50代女性で1.6倍の年収差があることが明らかに

日本国籍の20代~50代男性6271人、女性7737人の1万4008人を対象に調査

 日系企業よりも年収が高いイメージを持たれている外資系企業。コロナ禍においては、外資系・グローバル企業の求人が一時的に減少する状況になったが、人材の動向はどうだったのだろうか。ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」が、同サイト登録者の英語力および企業からのスカウトデータをもとに、英語力が年収に与える影響について独自調査を実施。英語力の違いによって、50代の男性で1.3倍、40~50代の女性で1.6倍の年収差があることが明らかになった。

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 調査は2020年10月~21年9月の期間、掲載企業からスカウトを受けた「Daijob.com」登録者のうち、日本国籍の20代~50代男性6271人、女性7737人の1万4008人を対象に実施。企業からスカウトを受けた人材の約90%以上が「英語レベルビジネス会話以上」で、主に30代のミッドキャリア層が中心、女性が10%ほど多い結果となった。

 企業からスカウトを受けたビジネスパーソンの平均年収を比較すると、男性では30代で一時的に国税庁調査の給与平均を下回るものの、それ以外の年代では「ビジネス会話レベル以上」の英語力を持つ人材の年収が高く、50代では国税庁の調査結果に比べて1.3倍多い結果となった。女性の平均年収の比較では、全年代を通して「ビジネス会話レベル以上」の英語力を持った人材の平均年収が高く、40~50代では国税庁の調査結果と比べて1.6倍もの差が開いた。

 英語力による年収差は、男女ともに20~30代では大きくないものの、年齢が上がるにつれて開いていく。特に女性は英語力を生かして仕事をすることにより、生涯年収で大きな差が生じることが明らかとなった。

 最終経験職種別の平均年収を英語力別に分けたところ、1職種を除いてビジネス会話レベル以上の人が平均給与が高い結果に。一番大きな差が開いたのは「エグゼクティブ/経営」の1.8倍で、英語力を活かしたグローバル規模の企業経営や成果主義によって、高年収を得ていることがうかがえる。また、同じく1.8倍の差が開いた職種には、「電機(電気/電子/半導体)」もあげられ、国をまたいだ電機・電子部品の開発プロジェクトの進行や、生産設備の管理など、英語力+特殊な知識を活かすことにより、高年収を望めるようだ。

 今回の調査結果を受け、「Daijob.com」を運営するヒューマングローバルタレント株式会社の横川友樹代表取締役は「特に40~50代で英語力の高い人材は、国内の人材市場において希少価値の高い語学力に加え、各分野のキャリアを積まれることで、さらに希少価値が高まっていきます。一方、現在の日本において、若い世代はまず仕事を覚えながら自律することが優先され、英語力による職務上の責任は、あまり問われない傾向にあります」と分析。

 その上で「今後グローバル化がさらに進み、日本国内でもジョブ型雇用が推進されるに従い、個人の能力を年齢で画一的に捉えることが減少し、“個”で捉えられるようになると予測しています。英語力の有無により、若手のうちから、ますますキャリア形成に差が生まれることになっていくと考えています」と話している。

次のページへ (2/2) 【写真】英語力別で比較した職種別の平均年収の一覧
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