スケジュール管理、情報共有…「家元は全部分かってないとダメ」三代目藤間紫が痛感したこと
日本舞踊家で女優の藤間爽子(27)が、30日に東京・国立劇場で三代目藤間紫襲名披露公演「紫派藤間流舞踊会」を開催する。祖母は日本舞踊「紫派藤間流」の創設者で、女優としても大活躍した初代藤間紫。爽子は2021年2月に家元を受け継ぎ、紫派藤間流三代目を襲名した。
藤間爽子、初代藤間翔インタビュー 襲名披露公演「全部やらなきゃいけない立場」
日本舞踊家で女優の藤間爽子(27)が、30日に東京・国立劇場で三代目藤間紫襲名披露公演「紫派藤間流舞踊会」を開催する。祖母は日本舞踊「紫派藤間流」の創設者で、女優としても大活躍した初代藤間紫。爽子は2021年2月に家元を受け継ぎ、紫派藤間流三代目を襲名した。(取材・構成=コティマム)
30日に開催される舞踊会は、初代藤間紫の十三回忌追善も兼ねている。公演を控えた三代目藤間紫と兄の初代藤間翔(30)に、見どころや意気込みを聞いた。
襲名披露公演は二部制で一門が19曲を披露。それぞれの部のトリを三代目藤間紫が務め、一部では長唄「京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)」を舞い、二部は義太夫「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」で兄と共演する。
――家元として襲名披露公演を開催するのは感覚が違いますか?
三代目藤間紫(以下三代目)「今回、家元の仕事って本当に大変なんだなと実感しました。すべて把握していなければいけないし、お稽古も全員分を見る。全部分かってないとダメなんだと感じました。今回私は、家元のお仕事の10分の1もやっていないと思います。私が家元を継ぐ前に、歌舞伎俳優でもある市川笑三郎(えみさぶろう)さんが藤間可笑(ふじまかしょう)として家元代行をやられていた時期がありました。古くからいるお弟子さんのお稽古も可笑先生が見てくださっています。私は横でお稽古を見させていただいています」
――踊り手としてだけでなく、全体を把握して準備しなければいけないのですね。
三代目「スケジュールの取りまとめ、関係者に情報を共有する裏方作業も私と兄でやっています。今でも『大変だ!』と言っているのに、全部やらなきゃいけない立場なんだと思うと、まだまだ勉強不足です」
――演目はどのように考えたのですか?
三代目「みなさんがやりたいものを優先して、被らないように決めました。祖母が好きだった踊りや演目ばかりです」
初代藤間翔(以下翔)「今の門弟の方たちも、祖母を見て『紫派に入りたい』と思ってくださった。昔祖母がやっていた演目を練習して踊っていただく。感慨深いです」