初代・藤間紫が見せた“優しいおばあちゃん”の顔「ぶどうを口元まで運んでくれた」
爽子「舞踊とは関係ない私生活のこともいろいろ話ができる関係の方がいい」
――爽子さんも三代目藤間紫として「紫サロン」を続けますか?
三代目「私も今教えている若い子たちとは、友達みたいな感覚です。それはそれであまりよくないんですけど(笑)、友達のように『この化粧品よかったよねー』みたいな、舞踊とは関係ない話もします。そういうところがいいじゃないですか。舞踊だけっていうよりも、舞踊とは関係ない私生活のこともいろいろ話ができる関係の方がいいなと」
――家元としても女優としても大活躍された初代藤間紫さんは、気さくで話しやすい雰囲気があったのですね。翔さんは印象に残っていることはありますか?
初代藤間翔(以下翔)「祖母が踊っている姿も見ていたんですけど、(三代目)紫も言ったように、門弟のみなさんと食事をしたり、歌舞伎関係の人たちも一緒にいてよく食事をしていた印象です。昔、軽井沢に別荘があって、役者さんがよく集まっていました。そういうときは祖母自らかっぽう着を着て、お料理をふるまっていました」
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初代藤間翔「祖母は“踊りの先生”というより、優しい普通のおばあちゃん」