日本舞踊家で女優の藤間爽子（27）が、30日に東京・国立劇場で三代目藤間紫襲名披露公演「紫派藤間流舞踊会」を開催する。祖母は舞踏家、そして女優として一時代を築き2009年に亡くなった初代藤間紫。日本舞踊「紫派藤間流」の創設者で、女優としても映画や舞台、テレビドラマに数多く出演した。爽子は21年2月に家元を受け継ぎ、紫派藤間流三代目を襲名。また兄の藤間貴彦（30）も、「二代目藤間紫」を襲名した歌舞伎俳優・二代目市川猿翁から、「初代藤間翔（かける）」を命名されている。

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　300人近い門弟を率いる「紫派藤間流」を立ち上げ女優として大活躍した初代藤間紫も、孫の前では“優しいおばあちゃん”だった。初代藤間紫との思い出について、藤間兄妹に話を聞いた。（取材・構成＝コティマム）

――初代藤間紫さんはどのような方でしたか？「師匠」というよりは、「おばあちゃん」という感覚なのでしょうか？

三代目藤間紫（以下三代目）「そうですね。私もまだ小さかったので。もちろん、“普通のおばあちゃん”とは違うなと思っていましたけど。『他の家とは違うおばあちゃんだな』と小さいながらに思っていました。だって、お稽古に来られた皆さんが（手をついて）『おはようございます』って（頭を下げる）って、不思議じゃないですか（笑）。いろんな人がまわりにいたなって。祖母がいて、みんながお話をしに集まっているような」

――それだけたくさんの方をまとめていらっしゃったのですね。

三代目「お稽古している状況も印象的に覚えていますが、お弟子さんたちとすっごく仲良くお話している姿が楽しそうで。ケーキや食べ物を祖母が買って来て、ここ（稽古場）で食べながらお話していました。『紫サロン』と呼ばれるくらい（笑）。稽古しているんだか、お話しに来ているんだからわからなくなるほど、お弟子さんと仲良くいろんなお話を楽しんでいました。お話するのが好きだったみたい。母も祖母と1時間くらいずっと長電話していましたし」