電車内の逆ギレ暴行 頼みの「SOSボタン」には心理的ハードル、「押しづらい」の声も

23日正午ごろ、JR東日本宇都宮線の電車内でたばこを吸っていたことを注意された男が、注意した男子高校生に殴る蹴るなどの暴行を加え重傷を負わせた事件。鉄道会社各社では乗客同士のトラブルの際には「SOSボタン」「車内非常ボタン」などで運転士や乗務員に知らせるようアナウンスしているが、利用者からは「そもそも『SOSボタン』が押しづらい」との声も上がっている。

SOSボタン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
SOSボタン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「緊急時以外は取り扱わないでください」などの注意書きがある場合も

 23日正午ごろ、JR東日本宇都宮線の電車内でたばこを吸っていたことを注意された男が、注意した男子高校生に殴る蹴るなどの暴行を加え重傷を負わせた事件。鉄道会社各社では乗客同士のトラブルの際には「SOSボタン」「車内非常ボタン」などで運転士や乗務員に知らせるようアナウンスしているが、利用者からは「そもそも『SOSボタン』が押しづらい」との声も上がっている。

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「SOSボタン」「車内非常ボタン」とは、各車両の端部付近等に設置された赤いマークが目印のボタン。これが押されると、運転席に連絡がいき、運転手が適切な場所で電車を安全に停止。すぐに乗務員が押された車両に駆けつけるようになっている。しかし、「緊急時以外は取り扱わないでください」「みだりに取り扱うと法律により罰せられます」などの注意書きがある場合もあり、また押すと必然的に電車が停止することから、ボタンを押すことにためらいを感じる人もいるだろう。

 実際、ネット上ではSOSボタンを押した際に周囲の乗客から「勝手に押すな」「遅延するだろ」などと文句を言われたという体験談も散見される。

 JR西日本のホームページでは、「ドアに傘等を挟んだまま列車が動き出した時」「車内で犯罪行為を目撃した時」「救急手配が必要な時」「異常を乗務員に伝えたい時」などの状況を、SOSボタンを押すべき「緊急を要する場合」としているが、「駆け込み乗車で傘を挟んだ乗客のせいでSOSボタンが押されたらたまらない」という利用者の声はもっとものようにも聞こえる。

 SOSボタンを押すべき基準について、JR東日本の担当者は「ケンカや痴漢はもちろんですが、貧血やお酒に酔って具合の悪そうな方を見かけたときでも、遠慮なく押していただいて大丈夫です」と語る。また、車両や信号の不具合ではなく、急病や乗客によるトラブルの場合は、それほど大きな遅延が発生することはないという。

 もちろんイタズラでの使用はあってはならないが、いざというときに迷わずボタンを押せるよう、利用者の心理的ハードルを下げる工夫も求められる。

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