STU48池田が初出場で優勝した前回大会、百戦錬磨の岡田は「レベルは過去イチ」と語っていたが、そこから1年、各メンバーたちはさらに上のステージで戦いを繰り広げた。STU48矢野帆夏が優勝への強い思いをにじませた渾身のパフォーマンスを披露すれば、SKE48古畑奈和は努力に裏打ちされた圧巻の歌唱と世界観を発揮、初めての決勝大会となったSTU48今村美月は自らが楽しむことで観客を魅了した。竹中氏も「歌のうまいアイドルではなく、アーティストの大会になってきました」と舌を巻く。

「審査員を務めてくださった実力派歌手のMs.OOJAさんが、第1組の歌唱が終わった瞬間に見せた『こんなにうまいの、この子たち』という顔が忘れられません。いろんな音楽関係者の方にメンバーが驚きを提供し続けていくことで、少しずつこのイベントが広がればいいなと思います。そのなかで、例を挙げれば、STU48は特にこの企画への気迫が強いグループだと感じます。矢野さんのように歌で自分の仕事を切り開いたり、池田さんのように強烈なインパクトを残したり、STU48の中で歌が重要なファクターになっているのはうれしい限りです。今回、決勝大会に手が届かなかった峯吉（愛梨沙）さんは、もう次の大会に向けて練習していると聞きました。STU48勢の“ガチ感”は、やはり（初代キャプテンでもある）岡田さんの影響が大きいのかもしれません」

　歌唱力No.1決定戦は、歌唱スキルもさることながら、血のにじむような努力を重ねてきた1年間のプロセス、そして目標に向かって一途に突き進む熱量があってこそ成り立ち、輝きを増す大会。その本気度をひしひしと感じるからこそ、竹中氏は「本当にすてきでしたと全員に伝えたいです」とメンバーへの感謝を惜しまない。

「AKB48グループは、一生懸命やって、ときに悔し涙を流したり、喜んだり、青春感というか、ドラマチックさが魅力だと思います。メンバーのみなさんが本気で臨んでくれなければ、歌唱力No.1決定戦は単に生バンドのカラオケ大会になってしまう。普通のライブと違い、48グループメンバーのいろんな思いがこもり、長期間にわたる努力の成果があるからこそ輝く。予選を含めて、ここまで真剣な姿を見せてくれたことに感謝です」