「シバターは悪くない」元週刊プロレス編集長が断言 「YouTuberとしてやるべきことを彼はやった」
「シバターはまとも」と評価するワケ
確かにシバターはイロモノであり、キワモノ。いわゆる格闘家ではない。
「だから久保は全く悪くないよ。久保は正しいカタチで相手の提案を受けたわけですよ。その時点で、通常の真剣勝負とは別の世界に行っているわけですよ。つまり、今回の件はそういう具合に理解しないとおかしいわけですよ。それを一緒くたにして、要するに一般の格闘家同士の対決みたいにして『八百長だ』『打ち合せをした』みたいに論じることは、もう俺からしたら、何を考えてるんだって言いたいよ」
久保に対して、改めて「相手がYouTuberだから通常とは違うんだなというカタチで、対処しなきゃと思ってやったんだから、そういう意味で久保は真面目だよ。だから失礼ではないわけですよ」と評した。
それでも、リング上に出たものが全てとするなら、何が起ころうとも相手を叩きのめしてしまえばよかったのではないか。その問いに対して山本氏は「やれないもんなんだよ」と返答し、その理由を「気持ちがそっちに行っちゃってるから」と答えた。
どういうことか。「気持ちが別次元に行ってしまって、通常の試合とは別のところに行ってしまっているから。その分だけシバターのほうが心理的に有利になっているんですよ。だから試合結果がああいうふうになったわけですよ」
山本氏の認識では、シバターの戦略勝ちといった雰囲気と受け取れる。
「これはYouTuberがRIZINのリングに上がって、ホームグランウンドにしてしまったわけですよ。ホームにしてしまったシバターが偉大で正しくてすごいということだよな。その瞬間に久保はアウェーに行ってしまったわけですよ」
ちなみにかつて自身の主催した「THE OUTSIDER」のリングにシバターを上げたこともある前田日明氏は、自身のYouTubeチャンネルで今回の騒動に触れ、「シバターはクズ」と発言している。同様に朝倉未来も年明けに、那須川天心のYouTubeチャンネルで対談し、「(久保戦は)シバターの作戦勝ちなんだけど、シバターはクズだったよね、で終わり。もともとクズ人間を売りにしてるからなんともない」とクズ呼ばわりしている。
これに対し、山本氏は反論する。
「クズじゃないですよ。彼はRIZINのアイデンティティーではなく、彼自身のアイデンティティーをそのままに実行した男であって、状況的にはまともですよ。素晴らしい格闘家ですよ!」
そこまで言い切ってしまうのもどうかと思うが、言いたいことは十分理解できた。