LUNA SEA結成30周年記念ツアー 「オレたちにはライブしかない」 RYUICHI手術前関東最後のライブ
歌声で1万人を包み込む
15分間の換気時間を挟んだ2部は、デジタルアレンジされたSE「月光」で再開。エッジが効いた「JESUS」のイントロが響くと、客席が大きく揺れた。Jがベースを高く掲げた「STORM」では会場に歓喜の嵐が巻き起こっていた。喜ぶ会場に向けINORANは、右手で「I Love You」のサインを作り、思いを分かち合っていた。
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ライブではファンのリクエストに応じて曲を演奏する時間も。この日は2000年にバンドが終幕する前に制作した「a Vision」を披露した。終盤にはJとSUGIZOがラップで掛け合い、聴衆を沸かせた。
演奏後、RYUICHIは「『a Vision』が生まれたとき、30周年のラストでこの曲が選ばれるなんて(想像していなかった)。すごいことだよね」と感慨深げに話していた。「今夜たくさんの愛をもらっています。オレたち5人から愛を込めて」とオーディエンスに届けられたのは「I for You」。力強い歌声で集まった1万人を包み込んでいた。
アンコールでは、コロナ禍に制作した「Make a vow」を熱唱。ファンがスマートフォンのライトで作り上げた青と白色の光りの中で、医療従事者に感謝の思いを込めた。
メンバー紹介の場面では5人一人一人があいさつ。ドラムの真矢は「コロナ禍でいろいろなことがあったけれど、苦い思い出を超えるくらい、強い思いを感じています。みんな愛しています。出口のないトンネルはない。出口に出るまで楽しんで生きていた方がいいと思う」とエール。Jは「オレたちライブしかないんです。小さなライブハウスから30年たって、今ここで演奏できていることはありがたいこと。みんなが待っていてくれるからこうしてステージに立てています」と感謝の言葉を届けた。
さらに「RYUからは色んな発表があったよね」と喉の不調について触れると、「明日と、大阪(1月31日、2月1日)もある。みんな最後まで彼が走れるようにパワーを送って」と語ると、大きな拍手が送られていた。
続いて名前を呼ばれたINORANは「みんなとこうして会えるのも奇跡かもしれない。僕らLUNASEAという家は5人だけじゃない。みんなもそうだよ。残り4本全力で駆け抜けたいと思います」と思いを込めていた。
敬愛するデビッド・ボウイがデザインされたTシャツを身にまとったSUGIZOがボウイの「Ziggy Stardust」のフレーズを奏でると、真矢が音を合わせ和やかに。SUGIZOは「ボウイさまの(存命なら)75歳の誕生日にここに立てて感謝しています。(ルールを守りながらツアーを続け)ライブが危険ではないということを体現してきた。続けなければアートが、エンタメが死んでしまう。ここまで走ってこられたのはLUNA SEAの底力。みんなとの絆を深め、新しいシーンを作っていきたい」と未来を見つめた。
RYUICHIは「魂で歌っています。毎日朝がきて、夜になって。その繰り返しの中で、日常をどのくらい大切にしてこれたのか最近考えます。音楽好きの青年たちが集まってLUNA SEAになり、いつの間にかすごいバンドと言われるようになって。それはみんなが作ってくれた。今は心配をかけているけど、必ず復活してもっともっと高い景色を5人で見たいと思っています。Jも言っていたけどオレたちにはライブしかないんで。ライブで感謝の気持ちをお見せしたい」と再起を誓った。