RIZIN王者・浜崎を完封 “超新星”伊澤星花が激白「接戦を想定をしていた。自分でも驚き」
マイクアピールの真意
「私はMMAデビューして1年半しかやっていないんですけど、本気で世界で1番強くなりたいと思ってます。浜崎さんやフジメグさんはジョシカクっていう言葉が好きじゃないと言っているんですが、私はジョシカクっていう言葉がすごく好きで、でも男子の方が上って見られるのがすごく悔しくて、技術があって、しなやかな動きができるのはすごく魅力だと思います。これからジョシカクを引っ張って男子格闘技に負けないぐらいの競技にしたいと思っているので、これからも伊澤星花の応援をお願いします」
試合後にマイクを持った伊澤はそう発言した。
「浜崎さんやフジメグさんはジョシカクっていう言葉が好きじゃないと言っているんですが、私はジョシカクっていう言葉がすごく好き」の真意を本人に聞いた。
――試合後にマイクアピールがありました。内容は試合前から決めていましたか?
「いや、そのときに出てきた言葉を話して棒読みになっちゃいました」
――あの発言の真意をもう少し詳しく教えてください。
「根本的に女子の格闘技を盛り上げたいって言う思いは、フジメグさんとか浜崎さんが言うように、同じ気持ちを持っていて。でも、ジョシカクを否定しちゃうのは自分の中に違和感があって。自分は『DEEP JEWELS』でやっているじゃないですか(※DEEP JEWELSストロー級王者)。だから女子の格闘技が本当に面白いなあと思っていて。やっぱりジョシカクっていう言葉が嫌なんじゃなくて、女子の格闘技が下に見られるっていうか、必要とされていないことがたぶん、嫌なんじゃないかなっていうのがあって、それをしゃべりました」
――なるほど。浜崎選手とはタイトルを懸けて再戦があるかと思います。次は今回よりも怖い浜崎を出してくるかもしれません。
「まあ、常に誰とやるときも怖さはありますからね」
――今回はほぼ無傷ですか?
「はい。今回はノーダメージでした」
――ちなみに「RIZIN.33」であった他の試合で気になった試合は?
「あんまりないですね。(RENAVSパク・シウも)あ、そうなったかって感じで。あまり見ていないんですよね。もし闘うことになったら見ると思うんですけど、たぶん、それまでは見ないですね」
――格闘技に限らず、そもそも気になる存在は誰がいますか?
「気になる人は……そんなに人に興味がないですね(苦笑)。(強いて挙げれば)弟の風我に頑張ってほしいです。兄のカズトにも頑張ってほしいと思っています。お兄ちゃんには痩せてもらって、弟は試合とかで。(弟は)練習では強いので。それが(試合に)出ればいいなあって思っています」
――風我選手はKINGレイナ選手のセコンドにも付いたりしています。できればKINGのようにやらかしてほしい。
「弟には正統派で行ってほしいと思います」
――試合前には、「今年は4、5試合やりたい」と話していました。今、闘いたい相手はいますか?
「あんまり考えていないんですけど、オファーが来たら、誰とでも試合をしたいと思います」
正月2日には宇都宮の実家に戻り、3日には練習をはじめ、4日にはディズニーランドに行ったという伊澤。
「(ディズニーランドは)意外と人が多くてびっくりしちゃいました。スペースマウンテンが1番好きです」と語り、無邪気な一面を見せながらも、「2022年の目標はDEEP JEWLESとRIZINの2冠王?」との問いには、「はい、そうですね」と元気よく答えていた。
おそらくRIZINを見てきた多くの人たちが浜崎のTKO負けに驚かされたに違いないが、それを呼び込んだのがMMA5戦目のファイターだと思うと、やはり“超新星”と呼ばれるのもうなづける。
果たして年内のどこかで行われる再戦はどうなるのか。その結果いかんにかかわらず、女子格の生態系を変えつつある“超新星”の躍進はどこまで続くのか。いずれにせよ、2022年最大に注目されるファイターの1人が伊澤星花であることに間違いはない。