中村勘九郎&七之助が全国巡業 「17年やらせてもらっていて、念願の47都道府県制覇です!」

歌舞伎俳優の中村勘九郎と中村七之助が7日、「春暁特別公演2022」「陽春特別公演2022」のオンライン取材会に出席した。

「春暁特別公演2022」「陽春特別公演2022」のオンライン取材会に出席した中村勘九郎(右)と中村七之助(左)【写真:中田智章(なかだともあき)】
「春暁特別公演2022」「陽春特別公演2022」のオンライン取材会に出席した中村勘九郎(右)と中村七之助(左)【写真:中田智章(なかだともあき)】

コロナ禍での公演「私たちの仕事はお客様に少しでも元気になっていただくこと」

 歌舞伎俳優の中村勘九郎と中村七之助が7日、「春暁特別公演2022」「陽春特別公演2022」のオンライン取材会に出席した。

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「春暁特別公演2022」は、勘九郎と七之助、中村鶴松らが全国16カ所をまわる公演(3月6日~26日)。「陽春特別公演2022」は勘九郎と七之助のほか、勘九郎の息子の勘太郎と長三郎も出演。全国5カ所をまわる(3月30日~4月4日)。

 これらの特別公演は、中村屋一門が05年から毎年行っている全国巡業。東京の歌舞伎座まで歌舞伎を見に行くことができない地方の人々のために始まった公演で、時期によって「錦秋」や「新緑」と銘打ち、毎年欠かさず行われてきた。20年は新型コロナウイルス禍の影響でやむなく中止となったが、昨年3~4月に「春暁特別公演」が再開され、昨秋には「錦秋特別公演」を開催している。

 今年の「春暁特別公演」では、勘九郎が中村屋の御家芸でもある舞踊劇「高坏(たかつき)」で和製タップダンスを披露する。また七之助は「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」から「隅田川千種濡事(すみだがわちぐさぬれごと)」で、四役早替りに挑む。「陽春特別公演」では勘太郎と長三郎が舞踊「玉兎(たまうさぎ)」を、勘九郎と七之助が悲恋の舞踊劇「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)~かさね」を披露する。両公演ともにトークショーや芸談のコーナーも用意されている。

 勘九郎は「わたくしたちにとりましても大事な公演です。2005年から17年やらせてもらっていて、今年は栃木公演があります。これで47都道府県制覇する!」と語り、「本当は2019年に制覇する予定でしたが台風でできなかったので、念願の47都道府県制覇です」と喜んだ。巡業公演のトークショーでは必ず観客に質問していることがあるという。「この特別公演では、『初めて歌舞伎を生で見た方』に挙手をお願いしています。いまだに結構、手が挙がるんですね。まだまだ生で歌舞伎を見たことがない方が多いので、47都道府まわって満足ではなく、これからもより全国の方に生で見ていただくために、精力的にやっていきたいなと思います」と意気込んだ。

 七之助は「私たちが特別公演を始めたきっかけは、『歌舞伎座に見に行きたいけど、地方だとチケット代、交通費、宿泊代がかかって学生の私には無理です』とお手紙をいただいたことです。では私たちが行こうと。本当にこれがきっかけです」と明かし、「そういう(歌舞伎を楽しみにいている)方々がいてくださると思いながら、いつも(全国を)まわらせていただいています」と語った。

 昨年も今年もコロナ禍での公演。勘九郎は「去年の3月はコロナ禍で巡業スタートし、本当に怖かったです。東京から行くわけでしょ。いくらPCR検査をしても、『お客様が入っていなかったらどうしよう』という気持ちでした」と不安があったと告白。「幕が開いた時に満杯のお客様が来てくださった。やってよかった。でも安心してはいけない。県をまたいでの公演ですから、安心してはいけない。スタッフ含め苦しい思いをしていますけれども、それくらい僕たちが身を削らないと安心安全に見てもらえない。今回も心してやりたい」と覚悟を明かした。七之助も「賛否両論あると思います。おこがましいですけど私たちの仕事は、客席に来ていただいたお客様に少しでも元気になっていただくこと。今の苦しいことを忘れて、喜んで帰っていただくために一生懸命やります」と語った。

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