成人年齢18歳引き下げで成人式はどうなる? 18歳での実施に反対の声も

1月10日に迫った成人の日。今年4月1日からは成人(成年)年齢を18歳に引き下げる民法改正法が施行されるため、今年の新成人は20歳で成人を迎える最後の世代となる。来年度以降、成人式のあり方はどう変わっていくのだろうか。

2021年1月に行われた新宿区の成人式会場の様子。今後の式典のあり方に注目が集まりそうだ【写真:ENCOUNT編集部】
2021年1月に行われた新宿区の成人式会場の様子。今後の式典のあり方に注目が集まりそうだ【写真:ENCOUNT編集部】

今年4月1日からは成人年齢を18歳に引き下げる民法改正法が施行される

 1月10日に迫った成人の日。今年4月1日からは成人(成年)年齢を18歳に引き下げる民法改正法が施行されるため、今年の新成人は20歳で成人を迎える最後の世代となる。来年度以降、成人式のあり方はどう変わっていくのだろうか。

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 昨年、緊急事態宣言下で成人の日を迎えた新宿区では、急きょ式典及び立食パーティーの開催を中止。式典予定会場にフォトスポットを設置し、お祝いの言葉は会場とオンラインで同時配信する形式を取った。今年はさらに区内のエリアごとに参加者を分ける2部制を採用。新成人代表のあいさつや区長並びに各分野の著名人からのお祝いの言葉はビデオメッセージとし、オンライン/オフラインでの二重開催を予定している。

 一方、民法改正後となる来年度以降の成人式について、区の担当者は「区としての式典、セレモニーは『はたちのつどい』として、これまで通りその年度に20歳を迎える方々を対象に実施していきます」と説明。成人年齢引き下げ後は厳密には「成人式」ではなくなるものの、これまで通り20歳となる若者を対象に式典を実施していくという。

 18歳を対象とした成人式は開催時期が大学入学共通テスト、いわゆるセンター試験の直前という事情もあり、今後も20歳を迎える若者向けに式典を実施していく自治体が主流だ。そんななか、三重県伊賀市では全国的にも珍しく、あくまでも「成人式」として18歳を対象とした来年度以降の式典実施を市議会で決定。来年度は20歳~18歳の市民が一度に成人を迎えるが、収容できる施設がないため、20歳を1月8日、19歳を3月19日、18歳を5月4日と3回に分けて成人式を行うという。

 18歳を対象とした成人式実施を巡っては「18歳での飲酒を助長する」「新生活で忙しく来場できない」「5月では季節感がない」など、当事者の高校生を含めた市民、飲食業界、振り袖業界などから反対の声が根強い。昨年10月には伊賀市に対し市民団体から要望書や署名が提出されたが、議論は平行線をたどっている。

 伊賀市教育委員会生涯学習課の担当者は「成人式は新成人が集まるだけの場ではなく、本人や社会が大人になったことを自覚したり認識したりするためのもの。開催時期の5月についてはゴールデンウイークで新生活が落ち着いた時期と考えております。すでに着物レンタルを予約しているという声もあり、これからの変更は考えていない。他の自治体と足並みはズレることになるが、市としては成人を迎えた18歳でやることの意義を発信していきたい」と語っている。

 自治体ごとに足並みのそろわない成人年齢引き下げ後の成人式。20歳での式典は厳密には「成人式」とはいえないため、今後は文化そのものが形骸化していく可能性もあるかもしれない。

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