“元ウルトラマン”の市長がこだわるエンタメ街おこし「市民が楽しめる場が必要」
早大を志望して上京も、「芸能界で頑張りたい」で勘当
「高校卒業までは石川県の実家で暮らし、大学は合格した高知大に入学しました。ただ、授業は1度も出ず、第一志望の早稲田大学を目指して東京の予備校に通い始めました。そして、テストで1番を取ったのはいいけど、中には7浪中の人もいて、『ここにいたらまた浪人だ』と不安を抱えていました。その最中、『明日のスターは君だ』というオーディションの広告が目に入って、試験を受けに行きました」
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試験を主催したのは無名の劇団で、入所金15万円を支払うも、「周りを見たら、どう見てもスターになれる感じじゃない」と退所を決意した。そして、損失を取り戻すために、エキストラのアルバイトを始めたところ、柔道ドラマの収録現場へ。当日の出来事が芸能界デビューのきっかけになった。
「準主役だった役者さんの乱取り相手がおらず、アクション監督から突然、『お前、受け身を取れるか』と言われて、高校の授業で習っていた受け身を取ってみせました。それで、相手役になりました。そして、アクションクラブの方に『殺陣を覚えなさい。将来、千葉真一や真田広之になれるぞ』と誘われました。翌日から仕事で、最初にもらったのは駕籠(かご)かきの役でした。先輩役者が『えい』と言った後に僕が『ほっ』。これが初めてのセリフでした」
その流れで、80年に放送された「ウルトラマン80」でスーツアクターを務めることに。当初は怪獣役だったが、途中からウルトラマン80に“配置転換”になったという。
「『怪獣に入れ』と言われ、張り切って面白い動きもしていたら、監督の目に留まりました。そして、ウルトラマンに入っていた俳優が急に降板になると、僕に『お前、やってみろ』と。一生懸命にやりましたが、ウルトラマンに変身する前の主人公を演じる長谷川初範さんが、うらやましくて仕方なかった。そんなことを思っていたら、地球防衛軍の隊員や銃で撃たれる宇宙人の役が回ってきて、顔を出すことができました(笑)」
そして、その顔は高視聴率番組のTBS系「8時だョ!全員集合」でも映し出された。
「組体操のピラミッドをやって、一気に崩すコントをよくやっていましたが、一番下にいたのが僕で1度、画面にアップになったんです。それを両親も見ていて、『早稲田に行くんじゃないのか』と激怒。僕が『芸能界で頑張りたい』と意志を伝えたところ、『分かった。捨てた子と思うから』と言われて、勘当されました」
18歳の夏。俳優の道を歩み始めたが、今度は「CMモデル募集」の新聞広告が気になり、オーディションを受験。すぐに大手企業のCMが決まったという。
「最初は、出光興産のガソリンスタンドで務めるお兄さん役で、コカ・コーラ、日産自動車、ロッテのガム、マクドナルドと立て続けに受かり、モデルに専念していましたが、1年半後には『ちゃんと芝居の勉強をすべき』と思い、NHKにできた劇団に入り直しました。そこで妻と出会いました。まだ21歳で、妻のご両親は結婚に大反対。僕は役者として成功している姿を見せれば認めてもらえると思い、大手映画会社が合同で企画した新人発掘のオーディションを受験しました。そこで運良く受かって、東宝にお世話になることになったのですが、『これから売り出すので、婚約者がいることは隠さないといけない』と言われ、僕は『それはできません』と。結局、『ゴジラ』と『零戦燃ゆ』に出させてもらった後に、東宝を離れました。ちなみにその頃、東宝で売り出していた新人女優が沢口靖子さん。もう、逆光になるくらいまぶしかったですね(笑)」