カレー、ラーメン、参鶏湯までも登場 “何でもあり”缶スープ開発、業界大手の狙い

食シーンの広がりの背景で「手軽に簡単に食事を取りたいニーズも高まっている」

 業界大手の経験値を駆使したといい、「缶入りスープのNo.1メーカーである当社は、『じっくりコトコトとろ~りコーン』や『冷製缶スープ』の缶入りスープを小腹満たしのニーズに対応する商品として展開していますが、他に市場を活性化でき、缶コーンスープとも違うニーズを充足できる商品はないか構想を練っていました。飲む缶カレーは、『食事に合わせる汁物』として、新たな喫食シーンを獲得できると考え発売に至りました」。工場での製造を可能にするため独自の製造方法を編み出し、通常商品の4倍にあたる約2年間の開発期間を経て発売につなげたという。まさに力作だ。

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 消費者の反響は「SNSなどのコメントでは、『ついに飲み物に』などの商品化に対しての驚きのコメントも多数いただいております。テレビなどで露出が相次いだ週には、一時ツイッターのトレンドに『カレーな気分』が入るなど、多くの反響をいただくことができました」と手応え十分。味に関しては、「『スパイスがきいていておいしい』などの好意的な評価も多くいただいております。飲む缶カレーとして十分に満足できる味わい(とろみ・旨み・コク)、かつ1本を飲み切れるくらいの辛さのバランスを取る味づくりを何度も繰り返したので、味わいについてもご評価いただくことができ大変うれしく思っています」という。

 缶スープ飲料のブームの現状をどのように考えているのか。「在宅やフレックス勤務の定着・生活スタイルの変化により、間食ニーズの高まりや1回あたりの食事量の減少、スマートフォンの普及が進み、片手で食事を取りたいなど、食シーンも広がりつつある背景がある中で、手軽に簡単に食事を取りたいニーズも高まっているので、このような商品が増えていると考えています」との見解を教えてもらった。

 食生活の多様化に合わせ、今後も拡大していきそうな缶スープ市場。同社は注力を続けるといい、「お客様のニーズの多様化とともに、食シーンも変化し、広がってきていると考えております。我々ポッカサッポロは缶スープのトップメーカーとして、カレーに限らず、今後もメニューやカテゴリーを超えていく商品を生み出し、『ドリンクスタイルの手軽に取れる食事』をはじめ、さまざまな食シーンにお応えできるような商品開発に取り組んでいきたいと考えます」としている。

次のページへ (3/3) 【写真】色とりどりの缶スープ“集合”ショット
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