渡辺えり、40数年ぶりに開封した「かあちゃんの手紙」で号泣 驚きだった中身とは?
女優の渡辺えりとキムラ緑子がW主演を務める舞台「有頂天作家」の取材会が15日、都内で行われた。
渡辺えりとキムラ緑子がW主演を務める舞台「有頂天作家」取材会
女優の渡辺えりとキムラ緑子がW主演を務める舞台「有頂天作家」の取材会が15日、都内で行われた。
コロナ禍でゲネプロを4回やるという右往左往の末に中止になった舞台が、約1年の時をへて、来年1月に京都・南座(15~28日)、2月(1~15日)に新橋演舞場で上演される。
人気喜劇「有頂天旅館」「有頂天一座」「有頂天団地」に続くシリーズ第4弾で、21年前に亡くなったはずの元芸者の小菊(渡辺)が生きていたことから始まる、大人の恋の物語。
昭和の名優、杉村春子のために書き下ろされた戯曲「恋ぶみ屋一葉」を、作・演出の齋藤雅文氏が友情と三角関係が絡み合った悲喜劇として現代によみがえらせた。
「演出上変えるところはありません。(役者が体験した)コロナ禍の1年半が舞台に反映されると思います」と出演陣に期待した。
元芸者の羽生きく=小菊を演じる渡辺は「世界で一番気の毒な役。全世界の不幸を一身に背負ったような役ですが、頑張って演じます」とユーモアたっぷりに役を紹介。
「6本、(舞台を)やってんですよ、コロナ禍に。ギャラあるなしは置いといてですよ。命を張って、身体を張ってやって来た2年間だった。コロナ禍で得たものを全部惜しみなく出しちゃいたいと思っています」と意気込みを示した。
恋文の代筆屋を営む前田奈津を演じるキムラは「不思議な感じ。2年近く寝かして、やっと皆さんの前でお芝居ができる、こんな感じなんだなという実感です」としみじみ。「同じメンバー(共演者&スタッフ)で、もうひとつ上の段階に行ける芝居ができる。(初日までの)このひと月をそのために使いたいと思います」と、リスタートに誓った。
けいこは前日(14日)から始まっている。
キムラは「2年弱、確実に年を取っているなと感じました。でも、いい意味でとらえた。先ほど寝かせた、と言いましたけど、脳とか身体は、深いところにせりふを落ち着かせるんだな、奥の方に入っていた。(去年のけいことは)まったく違った感覚になっていて、自分では面白かった。寝かせるってワインみたいですけど、そういうことってあるから」と、生ものを作り上げる面白みを伝えた。
劇中、手紙が重要な役割を果たすことに関連し渡辺は、「SNSの時代になって文字を使うようになった、逆に。飲み会で殴り合っていればいいものを書いちゃう、それが炎上する。恐ろしくて」とSNS全盛の時代を恐怖する。
さらに両親から届いた手紙にまつわるエピソードを「両親、認知症なんですけど、(自分が)上京してから毎日、両親がはがきや手紙をくれたのが段ボールに3箱ぐらいある。封を切ってないのもある。号泣するんですよ、母親がくれた手紙を読み返すと」と切り出し、「44年前にかあちゃんが出してくれた手紙の封を切ってなくて、(コロナ禍に)開けたら5000円入っていた。母の日にカーネーションを届けたお礼と、豊川悦司(渡辺主宰の『劇団3〇〇』に当時所属)が、私がいないときに(実家にもうひとりと)1泊して、(その)2人に当てた手紙が入っていたのを今年になって知った」と驚きの事実を明かした。
「今も手紙と向き合っている最中です」と、長い時間が過ぎた後にあらためて知る母親の愛情への感謝を語った。