カンヌのようになれたはずが…第2回熱海国際が“もったいない映画祭”となったワケ

舞台あいさつでも空席が目立った
舞台あいさつでも空席が目立った

5人のスタッフで運営の突貫作業

 運営する会社『フォーカス』の髪林孝司代表取締役社長によれば、今回の映画祭では5人のスタッフで行っているそう。第1回での巨額の赤字の原因は、熱海市、イオンエンターテインメント株式会社、全日空商事株式会社、株式会社スカパー・ブロードキャスティング、株式会社フォーカスからなる『実行委員会』がうまく機能せず、決定が後手に回ってしまったことだと言い、未払い分については「一義的には当社に支払い義務があるとは考えている。速やかに処理したいが、当社に財政的な限界はあるので、話し合いたい」などと話し、第3回については未定としています。

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 映画祭はそんなテンヤワンヤだったのですが、個人的には1泊2日の熱海滞在は思いのほか楽しかったのです。

長編コンペ作品『ひとくず』の上西監督(右)
長編コンペ作品『ひとくず』の上西監督(右)

それでも収穫はあった…上西雄大さんが監督・主演・脚本の長編コンペ作品『ひとくず』に感動

 長編コンペ作品『ひとくず』という好きな作品にも出会うことができました。これは関西を中心に芸能プロダクション『テンアンツ』を主宰する俳優・脚本家の上西雄大さんが監督・主演・脚本を手がけたもの。虐待を受けた少女とヤクザ者の交流を描いた再生の物語です。幼児虐待という現代的なテーマを、昭和ヤクザ映画のテーストで描いた感動作でした。第7回ニース国際映画祭(5月11~18日)では主演男優賞(上西雄大)、助演女優賞(古川藍)をW受賞したそうですが、国内での知名度はまだまだ。劇場公開も決まっていないそうで、応援したい作品だと思いました。この熱海国際映画祭では監督賞(上西雄大)、俳優賞(小南希良梨=子役)をW受賞したそうです。

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