豊川悦司、「枕元に置きたい」と語る中村倫也の“安心感”「彼とのお芝居はラクなんです」
豊川悦司「じろうさんのせりふが頭の中にスルスル入ってきた」
――長い会話劇が続きますが、何か工夫はしましたか?
中村「僕は長い会話のシーンが気楽です。頭から終わりまで長回しの撮影が何回かありましたが、そちらの方が好きです。細かくカットごとに撮っていく良さもありますが、長く撮ってもらった方が楽しいです」
豊川「最初にシナリオを読んだ時、せりふを覚えるのがけっこう大変かなと思いましたが、(脚本を担当したお笑いコンビ・シソンヌの)じろうさんのせりふが頭の中にスルスル入ってきて想像していたよりは苦労は少なかったです。本番でも中村くんの芝居に乗っかっていくと自然に次のせりふが出てくるみたいな、そういうリズムができ上がって、そのリズムに乗っかっていくだけで楽しく仕事ができました」
――英勉監督からはどんな要望がありましたか?
中村「なかったです(笑)。こちらが演技しているところをゲラゲラ笑って見守っていました。カメラのアングルとかテクニカルなことはもちろんあったと思いますが、僕らの会話劇に手を加えるよりも技術的なことを変えてより良く見えるように工夫してくれたと思います。自由に伸び伸びとさせてくれました」
豊川「同意見ですね。英監督は常に応援団として立っていてくれたことがありがたかったですね。監督と俳優の関係はいろんなパターンがありますが、僕らのいちばん最初の観客でいようという姿勢がすごく伝わってきて演じるうえでエネルギーになりました」
――じろうさんの脚本はいかがでしたか?
豊川「この話をいただいてシソンヌさんの動画を見ました。独特の面白さがあって、なるほどなというところがけっこう見つかって楽しかったです。じろうさんの頭の中や好き嫌いが分かって、それが面白いです。じろうさんが女性に扮しているコントは好きですよ」
中村「芸人さんも表現者ですから楽器だったり顔付きだったり体だったり発想だったり自分といちばん合った笑いを作ってそれが評価されるから売れていくんだと思います。シソンヌさんのライブやコントはものすごい定評があって面白い。そんなじろうさんは自分が演じるわけではない脚本を書いている。じろうさんがやった方が面白いんじゃないか、ではなく僕たちが演じるから面白くなるように書いているところがスゴイなと思いました」