命にかかわる厳しいときを支え合った2人だが、一般的な夫婦に参考になる話もあった。

「私たち驚くほど、ずっとしゃべっています。鳥がたくさん飛んでいるとか、些細なことでもコミュニケーションを常に取っています。それが大きいでしょうか。絶対に2人は添い遂げるという強い思いがあります。あとは主人の取扱説明書を何度も読みこなし、継ぎ足し、分厚くなっています。こういう言い方をすると機嫌が悪くなるとか書いています（笑）」

　将来的な仕事の考え方も聞いてみた。

「仕事をしたくないわけではなく、内々に頼まれて司会をやることはあります。やっていると楽しくて、この仕事、好きなんだなと思います。司会とインタビューが特に好きです。人の話を聞いたり、引き出したり。ただ優先順位は家族との時間が1番。忙しくなったら本末転倒。できる範囲内でと思います」

　夫は来年、ホノルルマラソン出場を目指しているという。フルマラソンは13回経験があるようだが体が心配。すると愛の大きさをより感じる話をしてくれた。

「夫は長いリハビリを経て完全復活した証としてホノルルマラソンに出場したいという気持ちを強く持っています。ただ夫だけ出場すると暴走するので私も絶対に走ります。私と一緒なら、ゆっくりになりますから」

　本来なら今年一緒に走る予定だったが、オミクロン株の影響で断念したという。念のため聞いてみた。木村さんにマラソンの経験はあるのかと。

「初めてです。私、5メートルでもタクシーで移動したいくらい、走るのが本気で嫌な人ですが、主人だけで走って暴走されたら大変なことになるので、私と一緒という条件で参加を認めました。本当はのんびり話をしながらウオーキングするだけがいいのですが。運動が大嫌いなのにフルマラソン初挑戦です（笑）」