ギネス世界記録を更新 愛媛プロレスのエース・ライジングHAYATOのさらなる夢と野望

地方から中央に発信。ギネス世界記録も達成したぞ! 愛媛プロレスのエース「伊予の閃光」ライジングHAYATOが野望を達成するため、またひとつ階段を上った。

「愛媛ではこの金髪目立つんです」とはにかむライジングHAYATO【写真:柴田惣一】
「愛媛ではこの金髪目立つんです」とはにかむライジングHAYATO【写真:柴田惣一】

ギネス世界記録公式認定員から21時間44分34秒と認定

 地方から中央に発信。ギネス世界記録も達成したぞ! 愛媛プロレスのエース「伊予の閃光」ライジングHAYATOが野望を達成するため、またひとつ階段を上った。

 愛媛プロレスの所属ながら、全日本プロレスにもレギュラー参戦し、宮原健斗をリーダーとするユニット「ネクストリーム」の一員として活躍するHAYATO。爽やかそのものの白と赤を基調としたコスチュームに身を固め、金髪をなびかせるイケメンぶりで、人気を呼んでいる。

 地方と中央を行き来しながらのファイトは、なかなか大変だが「全日本プロレスの合宿所で過ごし、道場の合同練習にも参加させてもらうのは、これ以上ないこと。ちゃんこも全日道場で初めて食べさせてもらった」と目を輝かせる。

 生まれ故郷の愛媛と、歴史と伝統を誇る全日本。2つのリングを主戦場とする喜びは何物にも代えがたい。「このまま東京に出てくれば、と言っていただけるのはうれしいけど、愛媛から離れられない」とキッパリ。

 2016年4月にスタートした愛媛プロレスに、HAYATOも練習生ながら旗揚げメンバーで参加。同年10月にデビューし、翌17年4月には四国統一ヘビー級王座の初代王者になるなど、エースとして活躍している。

 プロレスで地域振興を目指す愛媛プロレスは、お客さんファーストを明確に打ち出している。試合開始前には選手がそろって、オープニングアクトでダンスを披露。おもてなしの心を分かりやすく表現しているという。

 日本だけでなく全世界に「EHIME」の名をとどろかすため、ギネス記録にも挑戦した。11月20日の午後1時から翌21日の午後1時まで丸一日24時間「レスリングワンマッチ世界最長記録」達成を目指した。

 HAYATOら愛媛プロレス勢10人が2チームに分かれ10人タッグマッチのゴング。途中、ご当地キャラの応援もあり、見事に闘い抜いた。

 途中、地元の新たな名物「みかんブリ」の試食をしていた時間を差し引かれるという誤算もあったが、10年に米国で記録された12時間を大幅に上回り、ギネス世界記録公式認定員から21時間44分34秒と認定された。

 認定証を受け取ったHAYATOは男泣き。愛媛プロレスに関わった人たちに感謝を述べ「何度も『プロレスを辞めたい』と思ったが、自分はこれしかできない。これをやるために生まれたのだと続けてきた。今日ここにいるみんなと世界一になれて、本当に良かった」と絶叫していた。

 24時間のはずが、22時間弱の世界記録にも「愛媛プロレスらしい。間抜けなかっこいいやつらってこと。みんなが死ぬまでにもう一回24時間に挑戦したい」と、今では再挑戦を誓っている。

 愛媛で大仕事をやってのけたHAYATOの次なる目標は、全日本の世界ジュニアヘビー級王座。現在はイザナギが保持しているが「チャンスをつかめるように声を上げ、一試合一試合を大切にしていきたい」と神妙だ。

 日本各地に地域密着団体は存在する。HAYATOのように地方と中央の双方で同時に暴れられる選手はそうはいない。「地方の選手でも中央で、夢はかなうことを、地方で頑張っているみんなに届けられれば」と、その志は高い。

 手入れに時間もお金もかかり「とにかく抜ける」と、将来の毛量に不安がつのる金髪にしているのも「愛媛では目立つ。すぐにプロレスラーだと気づいてもらえる」からだ。

「今までにいないプロレスラーになりたい」と誓うHAYATO。愛媛プロレスでは路上大会も多い。ハシゴから道路に5メートル、ダイブしたこともある。正直、キツイこともつらいことあるが「すべてを楽しんでいる」と言ってのける。

「レスラーが楽しまなきゃ、お客さんも楽しめないでしょ!」と輝くような笑顔。

 元々は葛西純の後楽園ホール・バルコニーからの6メートルダイブにしびれてプロレスラーに憧れたのだ。「あんな超人、ヒーローになれるまで、バルコニーから跳べるようになるまで、僕のレスラー修行はまだまだこれから」と誓うHAYATO。謙虚だが目標は高い。そのまっすぐなまなざしに期待したい。

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