モデルナがオミクロン株対応を発表 3回目接種や倍量接種の検証、特化型ワクチン開発など

米大手製薬会社のモデルナが、南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の出現を受け、新たな対応策を発表。認可済ワクチンのブースター接種の有効性検証と、それが有効でなかった場合に備え3段階の防衛策を講じているという。

自衛隊大規模接種センターの東京会場【写真:ENCOUNT編集部】
自衛隊大規模接種センターの東京会場【写真:ENCOUNT編集部】

ブースター接種が有効でなかった場合に備え、3段階の防衛策を発表

 米大手製薬会社のモデルナが、南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の出現を受け、新たな対応策を発表。認可済ワクチンのブースター接種の有効性検証と、それが有効でなかった場合に備え3段階の防衛策を講じているという。

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 モデルナによると、オミクロン株にはデルタ株にみられた感染力を高めるとされる突然変異と、ベータおよびデルタ株にみられた免疫回避を促進するとされる突然変異の両方が含まれており、この突然変異の組み合わせは、自然免疫とワクチンによる免疫を低下させる可能性があるという。現在、低下した免疫力を高めるための唯一の対応策は認可済ワクチンの追加接種で、モデルナではオミクロン株に現在の認可済ワクチンが有効か確認する試験を実施中。今後数週間以内に結果が出る予定だとしている。

 また、モデルナでは、現在認可されているワクチンがオミクロン株に有効でなかった場合に備え、3段階の対応を想定している。第1段階として、すでに健康な成人を対象にこれまでの50マイクログラムから倍の100マイクログラムに用量を増やした高用量ブースター試験を実施しており、306人の被験者への投与を完了。高用量接種を終えた人間の血清で迅速に中和検査を行い、100マイクログラムの接種がオミクロン株に対して優れた効果を示すか否かの検証を進めているという。

 第2段階として、突然変異予測のための2種類の多価ブースター候補をすでに臨床研究しており、今後584人の参加者に臨床中の50マイクログラムの用量で試験する予定。完了した多価ブースター候補から血清テストを迅速に増やし、これらの候補がオミクロン株に対して優れた中和効果を示すかどうかを判断する。

 第3段階として、オミクロン株に特化したブースター候補の研究を加速。これは重大な懸念のある一部の変異株に対してその変異株特有のブースター研究を前進させる戦略の一部で、過去にはベータ株およびデルタ株では60~90日のうちに新しい候補の臨床試験を開始している。

 モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「当初より、パンデミックを克服するにはウイルスの進化に積極的に取り組むことが不可欠であると述べてきました。オミクロン株の変異が懸念される中、この変異株に対処する戦略を実行に移すために可能な限り迅速に動いています。並行して3つの防衛策を進めており、その結果は今後数週間内で出ます。また、オミクロン株に特化したブースター候補の開発を急いでいます」と話している。

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