顔面48発被弾の壮絶KO負け後に妊娠発覚 20歳の女子格闘家・古瀬美月が語るSNS大炎上の本音

来る12月11日、東京・竹芝のニューピアホールで開催される「DEEP JEWELS 35」で村上彩と対戦する古瀬美月。実は1年前、とくにSNS上に賛否の嵐を吹かせた女子格闘家でもある。今年の2月に二十歳になった彼女が起こした嵐とは、RIZIN参戦からの敗退、休養宣言、妊娠、試合辞退、結婚、出産……。そして今年9月の復帰と、なかなかのもの。今回は格闘技界において、そんな女性ならではの問題に直面した彼女に話を聞いてみた。全2回の前編。

今回、一連の炎上騒動を振り返った古瀬美月
今回、一連の炎上騒動を振り返った古瀬美月

RIZIN会見で榊原信行CEOの説明中にあくび

 来る12月11日、東京・竹芝のニューピアホールで開催される「DEEP JEWELS 35」で村上彩と対戦する古瀬美月。実は1年前、とくにSNS上に賛否の嵐を吹かせた女子格闘家でもある。今年の2月に二十歳になった彼女が起こした嵐とは、RIZIN参戦からの敗退、休養宣言、妊娠、試合辞退、結婚、出産……。そして今年9月の復帰と、なかなかのもの。今回は格闘技界において、そんな女性ならではの問題に直面した彼女に話を聞いてみた。全2回の前編。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

ドラマ、アニメ、アイドル、K-POP、スポーツ…大人気番組が目白押しのお得キャンペーンを実施中(Leminoサイトへ)

 弱冠20歳の女子格闘家ながら、格闘技界に大きな波紋を呼ぶ行動を繰り広げた古瀬美月。整理しながらたどっていくと、最も賛否を呼んだ古瀬の行動は、RIZINでの浅倉カンナ戦(2020年8月9日、ぴあアリーナMM)が発端だった。

「(オファーが)急だったのでびっくりしたんですけど、あんま覚えていないんですよね。こんなこと言ったら、また(SNSが炎上して)燃えそうですけど、嫌なことは記憶から抹消するタイプで……」

 一つずつ振り返っていくと、まずは記者会見。登壇した古瀬から見て、右斜め前には、榊原信行CEOが座っていた。当然、会見上では大会に関する概要や今後の方針などを榊原CEOが説明していくが、この際、画面上の背後には古瀬が映る。

 すると古瀬は眠そうにあくびをしたかと思うと、首を左右に振ったりと挙動不審にも見えてしまう態度を何度も繰り返す。大物と言ってしまえばそうなのかもしれないが、まずはこれがSNSで話題になった。

「まずそっからですよね。そんな眠くもなかったんですけど、とにかく(会見上が)寒すぎてあくびが出ちゃって。話は真面目に聞いているつもりでしたけど、なぜかキョロキョロしてしまって……。もう『すみません』としか言えないです」

 古瀬にとっては初めてのRIZIN参戦であり、これまでとは違う数の「観る側」が存在することを知った会見だった。

「これからそういう機会が増えるので気をつけなきゃいけないんですけど、実は高校の面接でも面接官に怒られました」

 高校の面接で怒られるとはなかなか珍しいと思い、その際の話を聞くと、古瀬は面接官に「やる気があるのか」と問われたという。もちろん、やる気があるから面接を受けているのだが、どうやら古瀬はその熱が伝わらない雰囲気を与えてしまうようだ。「ふざけているわけではないんです。気をつけます」と古瀬は口にした。

浅倉カンナに48発の顔面パンチを食らって脳震とう

 それでも、古瀬は自分の対戦相手になる浅倉が、高校生のときからRIZINのリングに上がったことは知っていた。その浅倉と自分がRIZINという大舞台で試合をするのだ。緊張はしなかったのか、と尋ねると、古瀬は答えた。

「緊張はもともとするタイプで。(試合前に舞台)裏でウロウロしちゃったり、緊張がすごいので、RIZINもヤバいと思って、なるべく試合直前まで試合のことを考えないように、カラダが硬くならないようにして挑もうって思っていました」

 結果的にはその姿勢が物議を醸すことになる。試合前に控室が映されると、またもや古瀬はあくびをしながら緊張感が全く感じられない空気感。これに最も強い拒否反応を示したのが、なんと対戦相手の浅倉だった。

 浅倉は、試合後に公開された自身のYouTubeチャンネルの中で、「なんかもう本当にムカついちゃって。珍しく。もうやってやろうと思って。もう絶対ぶっ飛ばすと思って入場していた。そんなこと今までにない」と古瀬戦の心境を告白。「始まってゴングが鳴ったときにどうしてもストレートを思い切り当てたくて。イラついているからか分からないけれど、今回はセコンドの声が一個も聞こえてなかった」と生涯初のぶち切れファイトを振り返った。

 古瀬からすれば、緊張しないようにと取った行動が、かえって相手の怒りを買ってしまい、その結果、浅倉は過去にない戦闘モードで古瀬に襲いかかってきた。キラー浅倉の覚醒の瞬間だった。結果、古瀬が浅倉から食らった顔面パンチはなんと48発! 試合時間が1分35秒だったと考えると、その48発がどれだけの秒単位で降って来たのか想像がつくだろう。

「そんな食らったんですか。怖い……。確かに脳震とうっていうんですか。終わってからずーっとリング上でわけ分かんない発言をしていたらしくて。いろんなものが見えたりして」

 最近、古瀬は浅倉戦を思い出しながら「幻覚が見えた」と話していた。

「だから結構、殴られたんだろうなと思っているんですけど、試合(の映像)をなかなか見返せなくて……。自分からは見てないです」

次のページへ (2/3) “バカサバイバー”青木真也からの苦言と助け舟
1 2 3
あなたの“気になる”を教えてください