人気漫画「ブラックジャックによろしく」、話題のNFTとしてカード化 初の試みで世界流通

人気漫画「ブラックジャックによろしく」が、「NFT(非代替性トークン)」と呼ばれるデジタル資産としてカード化された。同作としては初の試みで、世界に向けて販売が開始されている。NFTを使ったデジタルアートの取引は世界中で関心を集めており、こうした日本の漫画作品のNFT化は注目を呼びそうだ。

人気漫画「ブラックジャックによろしく」のNFTカード化が実現した
人気漫画「ブラックジャックによろしく」のNFTカード化が実現した

新たなデジタル資産として注目 NFT市場は総額1兆5000億円以上

 人気漫画「ブラックジャックによろしく」が、「NFT(非代替性トークン)」と呼ばれるデジタル資産としてカード化された。同作としては初の試みで、世界に向けて販売が開始されている。NFTを使ったデジタルアートの取引は世界中で関心を集めており、こうした日本の漫画作品のNFT化は注目を呼びそうだ。

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 同作は、漫画家の佐藤秀峰氏が2002年に発表。日本の大学病院や医療現場の現状を取り上げた医療漫画だ。臨床研修医である斉藤英二郎が主人公で、現場で起こる医療制度の問題や矛盾を、患者やその家族との間で葛藤しながら成長していく一人の研修医の視点で描いた作品で、03年にはTBS系列でテレビドラマ化された。

 今回、プロフェッショナル・エージェンシー事業を展開する「株式会社クリーク・アンド・リバー社(C&R社)」が、IP(知的財産)契約する佐藤氏の「ブラックジャックによろしく」について、新たにNFTカードとして制作。主人公が描かれたカードが、NFTとして初めてグローバルへの流通が実現となった。

 NFTとは、暗号資産の基盤技術として知られるブロックチェーン技術を駆使した鑑定書や所有証明書が付いたデジタル上の資産で、複製や改ざんが不可能とされている。C&R社によると、DappRadar最新市場リポートでは、21年9月時点で総額1兆5000億円以上のアートや写真、アニメ、動画、カードなどのNFTが世界中で取引されているという。さらに、音楽やスポーツ、不動産などジャンルは多岐にわたる。

 同作のNFTカードは、NFTゲームプラットフォーム事業をグローバル展開する「Digital Entertainment Asset Pte. Ltd.(DEA社)」が運営するNFTカードバトルゲーム「JobTribes」に提供される。JobTribesは、世界中の職業を擬人化して戦う内容で人気を集めている。

 NFTカードは、10日から販売開始。「LEGENDARY【ブラックジャックによろしく】研修医斉藤(Water)」「LEGENDARY【ブラックジャックによろしく】内科研修医斉藤(Nature)」など全6種類のラインアップだ。各30枚限定(合計180枚)で、ブラインドオークション販売と即決販売の2パターンでの取引となる。暗号資産「DEAPcoin(ディープコイン)」が使われており、最低落札価格は30万ディープコイン。1ディープコインは約2円で換算されるといい、単純計算で約60万円の計算だ。

 C&R社の担当者によると、今回の「ブラックジャックによろしく」のNFTカードは実際に売れたものが出ている。同社は積極的なNFT展開を計画しているといい、「漫画のNFT化は我々の最初の動きの一つ。今後はNFTの流通商品としてゲーム、VRアートなどを加速化させたい」と話している。

次のページへ (2/2) 【写真】「ブラックジャックによろしく」NFTのカード画像
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