王座戦前日に挑戦者欠場 長与千種の愛弟子・彩羽匠が緊急参戦 王者・岩谷麻優に勝利!
ブシロード傘下で軌道に乗るスターダムが大ハプニングに見舞われた。当初は2月8日東京・後楽園ホールでのワールド・オブ・スターダム選手権試合、王者・岩谷麻優(いわたに・まゆ)VS挑戦者・Sareee(サリー)が発表されていたが、大会前日になりSareeeが体調不良、診断の結果、「急性腸炎および感冒による発熱」のため欠場となってしまった。代役として抜擢されたのは元スターダムにして"女子プロレス界のレジェンド"長与千種の愛弟子、彩羽匠(いろは・たくみ)。本来ならば岩谷とSareeeによる"女子プロレス最高峰対決"だったこの日、岩谷と彩羽は挑戦者欠場のショックを完全払拭する壮絶な熱戦を行った。
2019年"女子プロレス大賞VS女子プロレスグランプリ"待望の一騎打ちが一転…
ブシロード傘下で軌道に乗るスターダムが大ハプニングに見舞われた。当初は2月8日東京・後楽園ホールでのワールド・オブ・スターダム選手権試合、王者・岩谷麻優(いわたに・まゆ)VS挑戦者・Sareee(サリー)が発表されていたが、前日になってSareeeが体調不良、診断の結果、「急性腸炎および感冒による発熱」のため欠場となってしまったのだ。
岩谷VSSareeeの一騎打ちは、昨年度の“女子プロMVP対決”としても大きな注目を集めていた。岩谷が東京スポーツ新聞社制定「女子プロレス大賞」を受賞すれば、Sareeeは週刊プロレスの「プロレスグランプリ2019」で読者投票による「女子プロレスグランプリ」1位を獲得(岩谷は4位)。Sareeeは年間を通じ「女子プロレス大賞」狙いを公言していたのだが、土壇場の11月でスターダムのワールド・オブ・スターダム王座(通称赤いベルト)を奪取した岩谷に大賞をかっさらわれた。両者は昨年12月、Sareee自主興行でのタッグマッチで引き分け、さらにはこの2月でSareeeが所属していたワールド女子プロレス・ディアナを退団し活躍の場を海外に求めるとあって、対戦するにはこれが最後のチャンス、決着の気運が俄然高まっていたのである。
ところが、まさかのアクシデントにより夢の一騎打ちは幻となった。慌てたスターダム側は藁をもつかむ思いで長与千種とコンタクトを取り、彩羽匠の緊急参戦が決定。彩羽は2013年4月にスターダムでデビュー、15年2月にはレスラーになるきっかけとなった憧れの長与が旗揚げした団体Marvelous(マーベラス)に移籍した経緯がある。彩羽が古巣に参戦するのは、17年10月17日後楽園で美闘陽子(引退)のワンダー・オブ・スターダム王座に挑戦して以来。岩谷とはMarvelousが初めて後楽園に進出した18年8月8日でシングルマッチをおこなった。キャリアでは11年旗揚げデビューの岩谷が上回るが、2人とも同い年。ちなみに、彩羽は美闘、岩谷の両者とも時間切れで引き分けている。
あまりにも突然の変更ながら、彩羽はSareeeの代役と言うにはあまりある存在だ。昨年、Sareeeがディアナ、センダイガールズプロレスリング(仙女)、それぞれの団体のベルトを巻けば、彩羽は同時期にSEAdLINNNG(シードリング)とwave(ウェーブ)という団体の王座を保持していた。しかも4本のベルトはすべて団体最高峰王座として位置づけられている。この2人がタッグを組み、8月にはディアナのタッグ王座に挑んでいた。ベルトには届かなかったが、シングル2冠王(当時)の両者が現在の女子プロ界をリードするトップランナーであることは間違いない。
それだけに、Sareeeと同等、あるいはそれ以上の価値がある彩羽の出陣と言えるだろう。一方で、彩羽の参戦は最大級のインパクトも残している。というのも、2月5日に伝説の団体「GAEA JAPAN(ガイア・ジャパン/GAEAISMプロジェクト運営事務局)」が記者会見をおこない、解散以来15年ぶりとなる一日限定復活興行を発表したのだ。大将である長与はもちろん、そこにはGAEAの血が流れる遺伝子、一番弟子の彩羽もメインイベントで参戦する。彩羽の相手は長与の愛弟子である里村明衣子のさらに一番弟子・橋本千紘。しかも大会は25年前の旗揚げ戦と同日の4月15日、ところも同じ後楽園ホール。さらにはその前日、スターダムが後楽園で試合を行うことになっている。”奇跡のような偶然の一致”について長与は、「ブシロード(スターダムの親会社)さん、ありがとう。これは昨年から言っていた一番最初の仕掛け、爆弾です」と言い放っていた。と同時に、「決してケンカを売るんじゃありません。横に並びたいんです」とも。