子どもがいる女性ほど、男性に育休を望まない傾向 収入面の不安のほか「迷惑」の声も

女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」が、女性638名を対象に「男性の育休」についてアンケートを実施。子どもがいる人の方が、夫に「育休を取ってほしくない」と感じている傾向が多いことが分かった。

「男性育休」、女性の本音は(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「男性育休」、女性の本音は(写真はイメージ)【写真:写真AC】

女性638人を対象に「男性の育休」についてアンケートを実施

 女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」が、女性638人を対象に「男性の育休」についてアンケートを実施。子どもがいる人の方が、夫に「育休を取ってほしくない」と感じている傾向が多いことが分かった。

「女の転職type」は正社員で長く働きたい女性のための転職サイト。女性のリアルな仕事観の調査を定期的に行い、女性の働く環境の実態を公開している。第37回のテーマは「男性の育休」。「子供がいる人よりいない人の方が、夫に求める育休期間が長い」「夫に『育休は取ってほしくない』の声は子供がいる人の方に多い」といった意外な調査結果が明らかになった。

「女の転職type」会員のうち、子どもがいる人に夫(パートナー)の育休期間について尋ねたところ、「育休は取っていない」が最も多く85.5%。取った人のうち最も多かったのは「数日」で4.5%、次いで「数週間」が3.1%で、取った人は全体の14.5%となった。期間に関わらず夫(パートナー)に育休を取ってほしい人の割合が約8割に対し、実際に取得した人は14.5%しかおらず、大きなギャップがあることが明らかとなった。

 子どもがいる人に、夫(パートナー)にどの程度育休を取ってほしかったか尋ねたところ、「数か月」が34.1%、「何日でもかまわない」が12.3%、「数週間」が12.0%という結果に。一方、子供がいない人では、「数か月」が41.1%、「半年」が15.7%、「何日でもかまわない」が11.1%と、実際に子どもがいるかいないかで結果に開きがあることが分かった。

 また、「育休は取ってほしくない」という回答から見ても、子どもがいる人が7.0%に対し、いない人は1.1%と、子どもがいない人の方が夫(パートナー)に希望する育休が長く、子供がいる人は夫(パートナー)に育休を望まない人が多いという興味深い結果となった。

 夫(パートナー)の育休より、自分の育休の方が長い期間を回答した人にその理由を尋ねたところ、最も多かったのは「夫(パートナー)には早めに復帰して稼いでほしいから」で43.1%。上位には「同じくらい育休をとってほしいが難しいと思うから」「子どもにとって母親の方が必要だと思うから」という回答が並んだ他、「男性はとりあえず母体回復の期間だけ休んでもらえたらいい(40代/事務・経理・人事系/東京)」「夫の世話より子どもの世話をしたいので育休を取られた方が迷惑(30代/販売・サービス系/大阪)」「休まれてお給料が下がるのは困る(30代/事務・経理・人事系/福岡)」などの声も見られた。

 夫(パートナー)が育休を取る上で心配なことでは「収入が減る」が75.4%。「職場に迷惑をかける・負担が増える」が47.6%、「復帰後同じ仕事に戻れるか」が44.0%と続いた。上位は仕事関連の心配が占め、「心配なことはない」はわずか3.9%。「その他」では「育休は育児だけでなく家事もするという意識があるか(30代/事務・経理・人事系/東京)」「夫が家にいることで自分のストレスが増えると思う(40代/販売・サービス系/福岡)」「男性の育休は必要ないと思っている(40代/営業系/大阪)」などのコメントが並んだ。

 一方、男性が育休を取るメリットについては「子育ての喜び・大変さを知る」「子育ては夫婦で協力するものという認識を持てる」「子どもとのかけがえのない時間を過ごせる」などの意見が上位に。「子育ては女性の役割という日本の風潮を是正する」も約半数が回答しており、その他「職場で『女性は育児休業するから昇進させない』などの男女差別をなくす(30代/事務・経理・人事系/東京)」「男性にも育児に参加し人格成形をするべきだと思う(30代/事務・経理・人事系/東京)」など、社会全体が変わることを期待している人が多いことが分かった。

次のページへ (2/2) 【グラフ】仕事で関わる職場の男性が育休を取る場合、どの程度が適当だと思う?
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