――3人はどのような学生時代を過ごしていましたか。

三戸「今思うと、本当に申し訳ないんですけど、人のトイレしてるのをのぞく（笑）」

桜井「（そういう人）いるよね（笑）」

三戸「高校生のときって1人で悩んでそうな子ってトイレに行かなかった？　トイレで1人になりたいみたいな。私は勝手に『あの子悩んでる！』って決めつけて、トイレに入ったらその横からのぞいて『大丈夫？』みたいのをやってました。そしたら、本当にトイレしてるだけだった（笑）」

岡崎「めちゃくちゃおもしろいじゃないですか（笑）」

三戸「本当に今思えばごめんねって思います。暗い顔に見えたんですよね」

桜井「トイレにそんなルンルンでは行かないよ（笑）」

岡崎「私は本当はダメなんですけど、ミニスカートの制服がはやっていたので、とにかく短くしていました。かわいく制服を着たいって思いがすごく強かったです」

桜井「私は、制服ディズニーです。自分の学校じゃない制服を着て行く、みたいなのが唯一高校生っぽい感じだったかな」

――仕事をしていく上で心の支え、背中を押した存在はありますか？

岡崎「高校生のころに名古屋にいて、当時は上京することをまったく考えてはいませんでした。そのまま大学受験して就職すると高校入学当時は思っていました。だけど、2年生でこのお仕事を始めて、東京への憧れもありましたし、『進路どうしよう』って悩んだんです。そんなときに今の会社と出会って、未来の話ができたり、『そのままでいいんだよ』って言ってもらえて、すごく気持ちがラクになったのを覚えています。そこが私が変われたかなって思う瞬間です」

桜井「やっぱり応援してくれる人です。グループ時代は、自分の立ち位置とか、卒業した後の未来のことなどを考えてどうしようもなくなった時期がありました。それでもファンの皆さんがすごく心配してくれたり、グループの仲間が無理やり引き戻してくれました。ちょっと強引で『もう嫌なのに！』って思うぐらい。でも、その瞬間があったからこそ、今もお仕事を続けられている。それがなかったら全然違うことをやっていたかもしれないので、求めてくれる人がいるのは本当にありがたいなって思います」

三戸「私は自分の趣味とか好きなものです。絵を描いたりするのが好きで、悩んだとき、自分の好きなことをひたすら黙々とやったり、好きな映画を見たり、そういう時間のおかげで、『私これ好きなんだな、頑張ろ』って気持ちになれます」

――作品では3人が久々に再会したことが転機となります。3人の転機を教えてください。

桜井「私はグループを卒業して1人になったというのがターニングポイントです。8年間グループで活動してきましたが、卒業してからはいろんなことが変わって、全部自分でやらなくてはいけなくなりました。不安もありましたが、自由度も増したので挑戦できることも圧倒的に増えました。大きな決断でしたが、良かったなって思っています」

三戸「私はいろんな人に知ってもらったきっかけが『前髪切りすぎた』って曲だったから、それが転機だったかなと思います。最初は（中田）ヤスタカさんに曲を作ってもらったのですが、私自身、『前髪切りすぎてるわけではないんだけどな』って当時は思っていたんです。周りから見たら『私、切りすぎてるんだ』って気付かされました（笑）。でも、周りの人がおもしろがってくれて、テレビに声をかけてもらったりしましたね」

岡崎「私は2012年に受けた『Seventeen』がこの業界に入るきっかけです。それまでは本当に普通の高校生だったので、そこからもう人生が一変しました。なので、『Seventeen』のオーディションを受けたことが転機になりました」

□桜井玲香（さくらい・れいか）1994年5月16日、神奈川県出身。2011年に「乃木坂46」1期生として加入し、初代キャプテンとしてグループをけん引。19年にグループ卒業後は俳優として舞台を中心に幅広く活躍。「シノノメ色の週末」で映画初主演。

□岡崎紗絵（おかざき・さえ）1995年11月2日、愛知県出身。2012年に雑誌「Seventeen」（集英社）の専属モデルオーディションに合格。現在は「Ray」（主婦の友社）専属モデルを務める。15年から俳優としても本格的に活動。21年には月9「ナイト・ドクター」（フジテレビ）にも出演。

□三戸なつめ（みと・なつめ）1990年2月20日、奈良県出身。2010年に関西で読者モデルとして活動を開始。15年には中田ヤスタカプロデュースによる「前髪切りすぎた」でアーティストデビュー。18年から本格的に俳優としても活動を開始。20年にはNHK連続テレビ小説「おちょやん」にも出演するなど幅広いジャンルで活躍中。