【週末は女子プロレス♯22】元アイドルレスラー・府川唯未のいま 子育ては一段落 新たな夢の実現へ
子育てはひと段落 書道の師範の免許取得にもう1つの目標も
試合は見事にスイング。府川とのつながりはこのときだけだが、ジュリアはその後スターダムに移籍し、大きな注目を浴びるようになったのである。
幻の10・2では府川プロデュースとあって、女子の試合が昨年以上に大きな比重を占めていた。彼女のマッチメークの妙も実感しただけに、来年3・12の大会はぜひとも実現してほしいものである。では、プロレスとのかかわり以外では、どんな毎日を送っているのだろうか。
「娘が高2と小4。子育てもひと段落したというか、いまは習字を子どもたちに教えています。母が書道の先生で、私もずっと母についてきて、一昨年くらいですかね、師範の免許が取れました。母からはこれをきっかけに教える方もやりなさいと言われました。教えると自分のスキルアップにもつながるからと。これからは大人の人にも教えるんですよ」
書道の先生になった彼女には、もうひとつの目標がある。それは、ラジオパーソナリティーになることだという。現在、実現に向けて動いているというからうれしい話だ。
「ラジオには現役時代からちょっとした憧れがあって、結婚して出産して生活が変化しながらもなにかやりたいとの気持ちは持ち続けてて、今だったらやりたいことをできるんじゃいかなと思い、地元のFM局(湘南ビーチFM)に履歴書を送ったんですよ。といっても募集もしてなかったからお返事もなくて、無理かなあと諦めかけていたんですけど、家族の協力もあって、やりたいです、やりたいですとしつこく掛け合ったんですね。それで今、(府川の)番組を持ってるわけじゃないですけど、木曜日の午後3時50分台後半から6時まで1時間おきに3回ほど交通情報やお天気をお伝えしています。ここに至るまでも1年間、朝の番組のアシスタントをさせていただいて、こんどはワンマンでもできるようにと機械の操作などの研修もさせていただきました」
今のところ番組内で「府川唯未」と紹介されるわけではなく、声だけの出演とのこと。よって声を聴いても大半は気づかれない。とはいえ、パーソナリティーから紹介されたときにはリスナーのメッセージで驚きの声が寄せられた。いずれは「府川唯未」の冠がつく番組を持つ。それがプロレスラーになる夢をかなえた府川、現在の夢である。では、彼女にとってプロレスとはなんだったのか。
「思いが強すぎて、なんだろう? う~ん、プロレスとは青春であり運命であり、魂であり、プロレスがなかったら私は私として存在していなかったから、もう感謝しかないですよね。もしケガをしてなかったらまだ現役でいたかって? やっぱりもっと上にいきたかったし、(シングルの)ベルトにも挑戦したかった。もっともっとやりたかったけど、いまの年齢でやってることはないでしょうね。自分のやめどきはちゃんと見つけてたんじゃないかな。私って古いタイプなので、25歳前後には引退を考えたと思います。25歳で定年という、あの時代に魅せられた人間なので」