元おニャン子・新田恵利が告白 自宅で看取った92歳母への思い「介護は幸せな時間」
1980年代に人気番組「夕やけニャンニャン」(フジテレビ系)から誕生したおニャン子クラブのメンバーで、おニャン子クラブ卒業後はタレントとして活躍中の新田恵利(53)が、母親(享年92)の介護について書かれた「悔いなし介護」(主婦の友社)を発売した。2014年に当時85歳の母親が、骨粗しょう症による圧迫骨折が原因で寝たきりになり、介護生活がスタート。仕事と介護を両立させ、6年半の間、母親の介護を行ったが、今年3月に自宅で看取った。そんな自身の介護について、新田さんが胸中を語ってくれた。
「悔いなし介護」出版 骨粗しょう症による圧迫骨折で寝たきりの母との生活を回顧
1980年代に人気番組「夕やけニャンニャン」(フジテレビ系)から誕生したおニャン子クラブのメンバーで、おニャン子クラブ卒業後はタレントとして活躍中の新田恵利(53)が、母親(享年92)の介護について書かれた「悔いなし介護」(主婦の友社)を発売した。2014年に当時85歳の母親が、骨粗しょう症による圧迫骨折が原因で寝たきりになり、介護生活がスタート。仕事と介護を両立させ、6年半の間、母親の介護を行ったが、今年3月に自宅で看取った。そんな自身の介護について、新田さんが胸中を語ってくれた。(取材・構成=ブレーメン大島)
――介護生活は突然、右も左も分からないままスタートしたと聞きました。
「私の場合は本当に突然だったので、介護の知識も心の準備もなく入ってしまいました。それによって色んな感情が出てきました。いい感情だけじゃなく嫌な感情や怒り迷い、とても大変でした。私は同世代の中でも先発隊だと思います。母が39歳という高齢出産だったので、同年代の人にとって、介護はこれから迎えることになると思います。私の本を読んで、ちょっとでも知識とか心構えとか、せめて『来るぞ』という体勢を整えるだけでもしてもらえれば、私と同じようなパニック状態にはならないかなと思っています」
――介護という現実に直面したとき、どんなことから始めましたか。
「親が寝たきりになったという、その現実を受け入れるだけでいっぱいいっぱいでした。『これが本当に現実なのだろうか?』『夢じゃないだろうか?』って。それでもやっていかないといけないことが山ほどあるんですよね。介護申請もしていなかったので、慌てて申請もしました。ケアマネジャーさんといろんな計画を立てないといけない。本当にやることがたくさんあって、書類へのサインだけでも大変でした。日々、1日を終わらせるのが精いっぱいというのが現実でした」
――母親が骨粗しょう症で入院し、症状が悪化するというまさかの現実が待っていました。
「すごいショックでした。病院に入ったら良くなると勝手に思ってますよね。それまでも母は骨粗しょう症による圧迫骨折で何度か入院しましたが、痛みが引けば退院して日常生活に戻っていました。だから本当に寝たきりになるなんて想像もしなかったんです。でも、介護が始まりました。入院したから『安心』と油断しないで、入院中の治療計画やリハビリの様子をしっかりと見て、そのままで良いのか、転院をさせたほうが良いのか、セカンドオピニオンが必要かどうか、などの選択肢も必要です。かかりつけのお医者さんを持つことが大事ですね」
――1人ではなく、お兄さんと協力して介護をすることになりました。
「兄は昭和の男なので、親はやはり長男が看るものだという古い考えを持っていたんです。でも母は私たち夫婦と二世帯住宅で暮らしていました。狭いながらも一緒に住めるスペースがあったので、兄と一緒に介護することにしました」