RIZIN榊原CEOを直撃 堀口・天心から2022年のRIZINの主役は誰か? フェザー級GPの行方は
カギになるのはやはり朝倉未来の参戦 横一線の争いに加わるか
そう言って、榊原CEOはあくまでワールドGP構想を念頭に入れていることを強調した。
現在開催中のバンタム級GPは61キロ契約で実施されているが、フェザー級だと66キロ契約となる可能性が高く、そうなると一時期、活況を呈していた70キロのライト級に近づくことになる。確かにバンタム級に比べれば多少はスピードが落ちる可能性はあるが、その分、一発の破壊力が増す。なにより「観る側」を想定したプロ格闘技である以上、ヘビー級とは言わないまでも、肉体の大きさは見ばえの迫力に直結する。
だが、一つ気になっていることがある。そういう世界的なトーナメントを開催していくとしても、開催国が日本である限り、主軸を誰に置くか。その点が非常に重要だ。事実、現在開催中のバンタム級JAPAN GPでは、前王者・朝倉海の参戦があったからこそ、開催していく意義が担保されたのは言うまでもない。
当然、22年にフェザー級GPが正式に開催されるとなれば、その主軸には海の兄である未来の存在が必要不可欠になるが、果たして、横一線でスタートするようなトーナメントに未来が参戦するのか。イメージ的には独自路線を闊歩(かっぽ)したいというか、他者との価値観の違いを意識しているような雰囲気がある。
しかしながらそうしたこちらの疑問に対し、榊原CEOは「どうなんだろうね?」と口にした直後、以下のように話を続けた。
「ここまで(未来と)話している中ではベルトもそうだし、未来自体はそうは言っても、RIZINを自分が引っ張っているっていう自負もあるし、当然、GPっていうことになっても(現在開催中のバンタム級GPと同じ形式で行くなら)ワンマッチで進んでいくわけじゃないですか。ファイナルは違う(準決勝・決勝戦の1日に2試合)けどね。そういうことで考えれば、未来がGPをエスケープする理由はあまり見当たらないと思っているけどね」
ここまで話したところで、榊原CEOは基本路線の話を展開した。
「ただ実際、GPをフェザー級でやるっていう方向で決めるとするならば、いつからどういうイメージで、何人でっていうね。その辺も一気に編成していきたいなあって思うけどね」
まだ年の瀬にもなっていない段階で、しかもコロナ禍という不確定要素が満載の昨今、来年のことを言うと、それこそ鬼が高笑いしそうだが、それでも榊原CEOが言うように、堀口が日本で試合をしづらい状況があり、那須川天心がボクシング界に転出してしまうことが明らかになっている今、今から大みそかを超えて、22年のRIZINを想像していくことは、ファンや関係者、もちろん選手にとっても無駄だとは思えない。
むしろ、堀口・天心というここ数年のRIZINをけん引してきたツートップの穴をいかに埋め、さらなる熱を生み出せるのか。そこにこそRIZINにとっての、引いては業界全体の明るい未来が見えてくることは間違いない。