師・猪木の教えを守って生の自分を見てもらう 72歳になった藤原喜明組長は生き様を披露する

「組長」藤原喜明は師・アントニオ猪木の教えを守り「どう生き、どう死んでいくのか?」を飾らず正直に披露し、人生を全うしていくと誓っている。

人生哲学を明かしてくれた藤原喜明組長【写真:柴田惣一】
人生哲学を明かしてくれた藤原喜明組長【写真:柴田惣一】

今でも月に1~3試合はリングに上がる

「組長」藤原喜明は師・アントニオ猪木の教えを守り「どう生き、どう死んでいくのか?」を飾らず正直に披露し、人生を全うしていくと誓っている。

 古希を過ぎ72歳になった組長だが、まだまだ現役。月に1~3試合はリングに上がっている。「半分以上はメインイベントなんだよ」と、いかつい顔に笑みが浮かんだ。

 今でもメインイベントにエントリーされるのは特筆もの。それもこれも日ごろからメインイベンターにふさわしいファイトを披露しているからだろう。「猪木さんの付き人をしながら、メインイベントをリングサイドで見ていた。猪木さんはもちろんだけど、他のメインイベンターたちの試合運びや、間、立ち振る舞いなどから、何が重要なのかが自然に身についたんじゃないか」と自己分析する。

 今、何を求められているのかを、常に考えて行動する。サービス精神の大切さ…猪木に背中で教えてもらったことが、役立っている。「呼んでもらえるのは、俺に何かがあるからだろう。だからこそ、一生懸命やる。生の俺を見てもらいたい」と神妙だ。

 猪木イズムうんぬんと、たいそうなことを語るつもりはないが「猪木さんは本当に大したものだ」とあらためて感じている。

 先日も完全復帰ロードを進む猪木とYouTubeで対談したばかり。「痩せているけど、元気になった。カメラが回るとシャキッとする。俺もそうだけど、人に見られていると背筋がピンと伸びるんだよ。もちろん、無理は禁物だけど、どんどん人前に出た方がいいよな」と師の復活ぶりを喜んだ。

 趣味の陶芸や盆栽から気付くことも多い。「年月を重ねることで、味も出てくるんだ」とにっこり。30年前に自作したぐい飲みを愛用しているが、焼きあがったときには武骨さばかり目立っていた作品も、毎日、酒を注ぎ、眺め、そしてグイっと飲み干すうちに、良い味が出てきたという。「安い酒がこれまたうまくなる」と組長らしいセリフも飛び出す。

 人間も同じだ。「多少の欠点があるヤツ、弱みを抱えているヤツの方が、面白い。長く付き合える」。組長の人生観には素直にうなずいてしまう。

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