20～30代はゴルフにハマり、日刊スポーツ新聞社主催の「全日本シングルプレーヤーズ・ゴルフ選手権」に出場するぐらいだったのですが、やりすぎて飽きちゃいました（笑）。20代は神田正輝さん（70）とよくやっていたけど、今は年1回、中村雅俊さん（70）とするぐらいかな。雅俊さんは「ゆうひが丘の総理大臣」で先生と生徒役で共演させていただいた大事な恩人。還暦を過ぎてからゴルフにハマったみたいなので、お付き合いさせていただいています。

　若い頃はドラマにたくさん出させていただきましたけど、思い出深い作品は、やはり「ゆうひが丘の総理大臣」と「池中玄太80キロ」。撮影現場がとにかく楽しくて、遊んでるのか、仕事してるのかわからないぐらいでした。その雰囲気が作品に出ていたから人気だったのか、「ゆうひが丘～」のロケを多摩美術大学でしていると、校門がファンですごい人だかりになっていましたね。一緒に生徒役を演じていた清水昭博とは、今もときどき電話で話しますよ。藤谷美和子はどうしているのかなあ。当時、付き合ってたのか？　みなさん、そればかり聞きたがる！　実際は……さあ、どうでしょうね（笑）。

　ドラマ人気はすごかったとはいえ、僕が電車に乗れなくなるとか、街を歩けない、なんてことはなかったですよ。ファンの方にはたくさん応援していただき、うれしかったですが。中には不思議なファンレターをくれる方もいて、事務所に巻紙に筆で書いて送ってくれるんですけど、僕と一緒に朝を迎える妄想だったり、夢のお告げで僕と結婚する運命にあると言われた、とか、中身もちょっと変わっていて（笑）。ほかにも、自分が舐めたガムを「食べて」と渡されたこともよくあって、事務所からは「気をつけてね」と言われていました。

　ジャニーズ事務所に籍を置いていたのは14年間ぐらいだったのに、2年前にジャニー喜多川さんがお亡くなりになったときは、事務所は僕にもお別れの会の招待状を送ってくださったんですよ。はい、行ってきました。香典の類いは「禁止」でね。まぁ僕が払える金額なんて、事務所からしたら大した金額じゃないから、もらってもしょうがないでしょうけど（笑）。それにしても、久しぶりにみんなと会えて懐かしかったです。お別れ会の後、同じ頃に事務所に在籍していた川崎麻世（58）らと一緒に故人をしのびました。

□井上純一（いのうえ・じゅんいち）1958年8月14日、東京・世田谷区生まれ。早稲田大学第一文学部中退。74年、ジャニーズ事務所に入り75年、シングル「恋人ならば」で歌手デビューし、映画「はつ恋」（東宝）主演で俳優デビュー。「俺たちの朝」「ゆうひが丘の総理大臣」「あさひが丘の大統領」「池中玄太80キロ」（日本テレビ）など学園ドラマや青春ドラマで活躍し、アイドルとして人気を博した。近年は舞台で活躍。私生活では90年、女優・戸田恵子（64）と結婚、2006年離婚。