金子恵美、リーダーに求められるのは「言葉の説得力」 菅義偉氏を“反面教師”の考え方
自民党総裁に選出された岸田文雄氏が、第100代の首相に就任することになった。新型コロナウイルス禍の国難に直面する日本のかじ取りを担う新たなリーダーに求められるものは何か。論戦が盛り上がりをみせた今回の総裁選、そして、岸田氏の“素顔”を、元衆院議員でコメンテーターとして活躍する金子恵美氏に聞いた。
岸田新首相は「珍しく、裏でも悪口を言わない人」 “素顔”明かす
自民党総裁に選出された岸田文雄氏が、第100代の首相に就任することになった。新型コロナウイルス禍の国難に直面する日本のかじ取りを担う新たなリーダーに求められるものは何か。論戦が盛り上がりをみせた今回の総裁選、そして、岸田氏の“素顔”を、元衆院議員でコメンテーターとして活躍する金子恵美氏に聞いた。
「一言で、人望。まさに誠実な人」。金子氏は岸田氏の人柄をこう表現する。2012年に衆院議員に初当選し、17年まで国会議員を務めた金子氏。議員時代、当時外務大臣だった岸田氏とは、議員宿舎で隣同士。“ご近所さん”だった。金子氏の長男が生まれたばかりのころ、夜泣きが多かったという。金子氏が「うるさくてごめんなさい」と謝ったところ、岸田氏は「子どもは泣くもの。うちもそうだった。気にすることなく、子育てに専念してね」と、優しく声をかけられたという。岸田氏は3男の父親。金子氏は一人の母親としても気持ちが救われたといい、「要職に付いているベテランが、新人みたいな私にも優しく接していただいた。岸田さんは息子さんと一緒に住んでいて、本当に『いいパパ』という印象。子育てに理解のある方であることも実感した」と明かした。
金子氏によると、権謀術数うずまく政界は「足の引っ張り合い」がはびこっているという。その中でも、岸田氏は「珍しく、裏でも悪口を言わない人」とのことだ。
岸田氏、河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏の4候補が熱戦を繰り広げた今回の総裁選。いち早く立候補した岸田氏は、菅義偉氏が当選した昨年の総裁選での敗北を乗り越えた。
金子氏の分析では、ブレーンを務める若手議員たちを中心とした政策の練り直し。さらに、岸田氏が強気の姿勢を見せたことも議員票を取り込んだ要因とみている。総裁選立候補の時点から、「誰かがやらなければならないけど、誰にもできなかった」(金子氏)という二階俊博氏の処遇について踏み込む方針を打ち出したことが、求心力を大きくすることにつながったといい、金子氏は「ファイティングポーズを示したことで、一皮むけた印象を与えた」と指摘した。
また、ここでも、岸田氏の“人のよさ”が垣間見えるエピソードがあるという。総裁選の最中に、コロナ対策で後手に回った菅政権について、側近が「批判的なことも言わないといけない」と進言したところ、岸田氏は当初は「そこまで言えない」と悩むところもあったという。