「おかえりモネ」ヒロイン妹役の蒔田彩珠が声優初挑戦「1日で録るはずが、4日かかった」
7歳から子役、転機は10歳時の阿部寛の娘役「今のすべてのベースになっている」
カンナは走ることが得意な女の子だが、蒔田自身はどうか。「小中学生の時はずっと運動会を楽しみにしていました。足は速いほうで、運動するのも好きで、リレーの代表選手に選ばれていました。ただ体力はないので、短距離専門です。出雲までは絶対無理ですね」と笑う。ストレス発散にはスポーツよりも睡眠派。「寝るのがすごい好きなんで、寝て忘れるタイプ。15時間くらい余裕で寝ちゃうこともあります」。
7歳の時から子役として活躍してきたが、転機になったのは、10歳の時に、是枝裕和監督のドラマ「ゴーイング マイ ホーム」で、主演・阿部寛の娘役を演じたこと。「現場がすごく楽しくて、それが今のすべてのベースになっていると思います。初めてがあのドラマだったから、今も楽しく続けられていると感じています」。
昨年は厳しい役作りで知られる河瀬直美監督の「朝が来る」で、望まない妊娠をしてしまうヒロインを好演した。「私が演じた役が住んでいる設定の家で実際に生活したり、新聞配達の寮に住み込みもしたりしました。撮影中はしんどくて、もうやりたくないと思ったこともありますが、成長できた実感もあったので、また河瀬組に呼んで頂きたいです」。
撮影で唯一、つらかったのは家で飼っている愛犬たちに会えなかったこと。一家は大の犬好きで、これまで計8匹の犬を飼い、現在はジャックラッセルテリア、チワワ、トイプードルの3匹と暮らしている。「私が生まれた時に既に5匹いて、兄2人と私、それに犬たち。もう動物園で暮らしているみたいな感じでした。映画では、カンナがうさぎに話しかけますが、私もよく犬に話しかけていますよ。」
8月に19歳を迎え、今年が最後の10代だ。「朝ドラをやりながら、あいだに別の作品が入るので、未知役が抜けないようにするのは大変ですが、1年間を通して同じ役ができるのは貴重な経験です。最近はちょっとドラマが続いているので、『朝が来る』のような映画にまた出たいなと思っています」。今後も、このアニメの主人公カンナのように走り続けていく。
□蒔田彩珠(まきた・あじゅ)2002年8月7日、神奈川県出身。是枝裕和監督が手掛けたテレビドラマ「ゴーイング マイ ホーム」に出演し、その実力が評価され注目を集める。その後も、「三度目の殺人」「万引き家族」など多くの是枝監督作品に出演。映画「朝が来る」では、第45回報知映画賞助演女優賞や第44回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多数の映画賞を受賞。出演作に、映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」「星の子」、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」など。今後の待機作に、映画「99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE」「PureJapanese」がある。