世界大会進出のeスポーツ選手、“原動力”は仲間の存在「恩を返すためにも勝ちたい」
横浜F・マリノスeスポーツのデジタルカードゲーム「シャドウバース」部門に所属する水煮が、同タイトルの世界大会出場権を争う「Shadowverse World Grand Prix 2021 JCGオンライン予選大会 プレーオフ(以下、プレーオフ)」で優勝を果たし、見事世界大会への切符を手に入れた。今シーズンのプロリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」でも勝率75%(3勝1敗)と好調を維持する水煮に、プレーオフの振り返りをはじめ、世界大会への思い、そして優勝という結果に大きく寄与した仲間の存在について語ってもらった。
視聴者を沸かせるプレイで「シャドウバース」世界大会進出を決めた水煮
横浜F・マリノスeスポーツのデジタルカードゲーム「シャドウバース」部門に所属する水煮が、同タイトルの世界大会出場権を争う「Shadowverse World Grand Prix 2021 JCGオンライン予選大会 プレーオフ(以下、プレーオフ)」で優勝を果たし、見事世界大会への切符を手に入れた。今シーズンのプロリーグ「RAGE Shadowverse Pro League」でも勝率75%(3勝1敗)と好調を維持する水煮に、プレーオフの振り返りをはじめ、世界大会への思い、そして優勝という結果に大きく寄与した仲間の存在について語ってもらった。(取材・構成=片村光博)
大型大会で上位入賞を果たした猛者が集まり、賞金総額2億8000万円で行われる「Shadowverse World Grand Prix 2021(以下、世界大会)」。上位2名が出場権を獲得するプレーオフで、水煮は冷静かつ的確なプレイングで視聴者を沸かせ、中でも世界大会を懸けた準決勝では現役プロ選手たちからも手放しの称賛を浴びた。
「正直、試合中は最善を尽くすことで精いっぱいでしたが、あのようなオフラインの舞台で強豪プレイヤーと戦う機会はあまりないこと。もちろん勝ちたいという欲もありましたが、試合前は『楽しもう』という気持ちで臨もうと思っていました。準決勝のrikkaさん戦は、大会前からやりたかった対戦ということもあり、楽しめましたね」
一貫していたのは、「負けないため」ではなく、「勝つため」の選択を取り続ける強気の姿勢だ。特に準決勝の最終戦は「『このカードを引かないといけない』という場面が何回もあって、引かなければ負けだけど、引ければ勝てるような試合展開とプレイングができた」と振り返る。水煮は今シーズンのプロリーグでも好成績を残しており、強気のプレイングが好調を支えている。
そして、プロ選手として「プレイで魅せる」ことを目指してきた水煮にとって、多くの競技プレイヤーが視聴するプレーオフで、プレイングによって話題を呼び、感動を生み出したことは大きな意味を持っていた。
「僕はプロ選手の中でもあまり話すことが得意ではなくて、プレイで魅せないといけないと思っています。そして今回は大舞台で、見てくれている人たちに感動を与えるようなプレイができました。もともと目標にしていたことでもあったので、達成できたことは本当にすごくうれしかったです」
「たくさんの人からDMをいただいて、『おめでとう』『世界大会頑張ってください』『ファンになりました』と、うれしい言葉を数多くいただきました。競技シーンからは離れてしまった知り合いからもそうした言葉をいただいて、シャドウバースのコミュニティーにいろいろな影響を与えることはできたのかなと思っています。ビデオレターを届けてくれた人もいて、それはすごくうれしかったですね」
プレーオフを通して結果だけでなく選手としての目標の一つを達成し、大きな自信を手にした水煮。世界大会に向けても、あらためて“プレイで魅せる”ことへの思いを強くしている。
「目標はもちろん優勝ですが、やっぱりプレイで魅せたいと強く感じています。プレーオフのように感動を与えられるような試合をしていきたいと思っていますし、世界を獲って僕という存在をいろいろな人に知ってもらいたい。それにシャドウバースを知らない人も世界大会を見て『シャドウバースは人々に元気を与えられるものなんだ』と知ってもらいたいです」