コロナ禍以前は月3回ほど海外で仕事をしていたが、20年3月以降は海外に行くことができていない。現在は海外からのオファーも日本で撮影し、納品したり、リモート撮影で対応しているという。そんなもどかしい状況の中、21年8月にストリートスナップ誌「STREET」とコラボした写真集「AMIAYA × STREET TOKYO FASHION 2021ss」を発売した。原点であるストリートスナップがメインとなる1冊に込めた思いを明かす。

「コロナ禍で日本のファッションシーンも厳しい中、少しでも発信を盛り上げるような活動ができたらという思いがあって、ストリートスナップで日本のファッションを発信するという思いが形になったのがこの本です」（AMI）

「いろんな国のファッションウイークには行かせてもらっていたけれど、意外と日本のドメスティックなブランドさんとお仕事をしたことが無かった。せっかく日本にいるので、改めて日本のファッションに触れ、世界に発信できたらいいなと純粋に思い、形になりました」（AYA）

　コロナ禍で変わりゆくファッションシーン。業界を盛り上げたいという思いを強く胸に抱いている。

「ファッションを通して、楽しさや生活への彩りとなることを発信していきたいし、自分たち自身も楽しみたい。そこはどんなに時代や状況が変化しても変わらないところです。ファッションが人の心に幸せやポジティブなエネルギーを与えるものであるための発信をしていきたい。服との関わり方やサステナビリティーを考えたものづくりなど、そういった思いを持ちながら、ファッションの未来が明るいものになるような活動を少しずつでもできればと思います」（AMI）

「1度目の緊急事態宣言で家から出られない期間に『lovefashion_loveyourself』のハッシュタグを作って、家にいるけど、おしゃれしてメイクする投稿をしたんです。家に1人でいると、先が見えない中でどんどん気持ちが沈んでしまう。私たち自身もそうでした。そんなときにお気に入りの服を着て、メイクするだけで、とても気持ちが晴れたんです。ネガティブな気持ちが一瞬でもどこかにいったんです。そこで、みんなにもおしゃれやメイクをしてみてほしいという気持ちを込めたハッシュタグでした。それをいろんな人が使ってくれて、『すごい励まされた』『元気になった』という声をたくさんもらいました。コロナで世界は変わってしまったけれど、おしゃれして、ファッションを楽しむということがこんなにも自分自身の気持ちにつながっているということに気付かされました。ファッションで人を救えるってほど大げさなものではないですが、私たちはファッションの力やパワーを信じています。世界が変わってもファッションとの関わり方は今までと変わらず、楽しんでいきたいですし、みんなにとっても幸せを運ぶものであってほしいなって思います」（AYA）

　ひたむきに「好き」という真っすぐな気持ちを胸に、どんなにつらく苦しい状況でも走り続けてきたAMIAYA。地元・浜松の観光大使を務めるほどまでに成長した2人の姿に、当時は口を利いてくれなかった父親も活躍を誇らしげに喜んでいると笑う。

「始める前に考えすぎて、不安になったり怖くなったりすることはあると思う。でも、始めて見ないと分からないし、行動してみないと分からない。まずはそういった経験を重ねていくことが1番大切なのかな、と自分たちの経験を通して思います。怖がらずに一歩踏み出して、違う世界を見てみるとまた新しい感覚に出会えると思います。それが必ず経験として自分の糧になると思うので、一歩踏み出してみることをアドバイスって言えるほどのものではないですが、伝えたいです」（AMI）

　一歩ずつ地道に前へ進んだ2人だからこそ見ることができた景色がある。「家族や大切な人たちに恩返ししたい」――。15歳で地元を飛び出してから約17年。今もあのときと変わらぬ思いを胸にAMIAYAは世界の舞台で輝き続ける。

□AMIAYA（あみあや）1988年11月8日、静岡県浜松市出身。姉AMI、妹AYAからなる双子ユニット。モデルとしての活動のみならずアパレルブランド「jouetie」のクリエーティブディレクターも務め、DJとしても活躍。日本のポップカルチャーを体現するアイコニックな存在として世界から注目を集める。2021年8月には2人の原点であるストリートスナップにフォーカスした写真集「AMIAYA × STREET TOKYO FASHION 2021ss」を発売。今後挑戦したいことは「アート」。