新たな夢はパラリンピック 義足のプロレスラー・谷津嘉章「若い人にだって負けないよ」【連載vol.61】

義足プロレスラーとしての活躍に加え、パラリンピックという“夢”も見つける

 故郷に錦を飾り、現在は次なるターゲットも見いだした。義足のプロレスラーとして、さらに磨きをかけること。8人タッグ王座で満足せずに、さまざまなベルトを狙っていく。

 DDTから試合のオファーも届いている。「何かに取り組んでいないと、俺はダメになってしまう。五輪の呪縛は解けたけど、まだまだ人生は続くから」と前向きそのもの。

 もう一つの夢も見つけた。パラリンピックである。さまざまな種目に取り組む多くのアスリートたちを目のあたりにしながら「これなら……いや、年も年だし難しい」と日々、一歩進んで二歩下がる日々だったが、ふと気づいたのがパラ・レスリングが東京2020の種目に入っていないことだった。

 柔道とテコンドーは実施された。義足でのレスリングは、ルール作りがなかなか難しいかも知れないが、レスリングとなれば谷津の土俵。65歳ながら「若い人にだって負けないよ」と力強い。

 今回のパラリンピックで最年長代表は女子マラソンの選手で66歳だった。次回の2024年パリ・パラリンピックでは谷津は68歳になる。最年長の金メダリストと言えば、50歳の女子自転車選手・杉浦佳子。史上最年長記録の更新も夢ではない。

「プロレスで頑張りながら、義足の改良、開発にもスタッフの皆さんと取り組んでいきたい」と意気込む。レスリングの2024パリ・パラリンピック実施がならなければ、気持ちを切り替え、他の種目を目指す。

 人生、先の楽しみや目標、夢、希望がなければやっていけない。ましてやこんなご時世だ。いくつになっても、どんな状況でも、未来を見据える気持ちは大切だ。下を向かず前を、そして上を向こう。立ち止まらず進んで行こう。

 ポジティブな谷津に「不可能」の文字はない。

次のページへ (3/3) 【写真】東京2020の聖火ランナーの証明書
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