がん闘病の笠井信輔、病室へのWi-Fi導入を訴え 「お見舞いに来れない孤独感は問題」

病室WiFi協議会の記者会見が6日、都内の厚生労働省記者クラブで行われ、フリーアナウンサーの笠井信輔ら9人のメンバーが出席。病院の無料Wi-Fi環境整備を訴えた。

フリーアナウンサーの笠井信輔【写真:ENCOUNT編集部】
フリーアナウンサーの笠井信輔【写真:ENCOUNT編集部】

病室でWi-Fiがつながる全国の病院名や都道府県別の導入率を公表

 病室WiFi協議会の記者会見が6日、都内の厚生労働省記者クラブで行われ、フリーアナウンサーの笠井信輔ら9人のメンバーが出席。病院の無料Wi-Fi環境整備を訴えた。

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 病室WiFi協議会は、Wi-Fiを病室で使用できる環境作りを重要な社会インフラの一部として導入すべく結成された協議会。コロナ禍で病院内での面会禁止が続く中、誰もお見舞いに来れない入院患者の孤独を癒すために、病院への無料Wi-Fi導入を国に働きかける活動を行っている。

 2019年12月に悪性リンパ腫を公表し、自身もコロナ禍での闘病中、自費でポケットWi-Fiを購入することで入院中の孤独を紛らわせていたという笠井は「誰もお見舞いに来れない孤独感というのは、コロナ禍での新たな問題。私自身、大変孤独を感じている中、仲間がオンラインでお見舞いに来てくれて、自分のがんが消えていくような感じがした。これまで『とくダネ!』でネットの危険性ばかり話してきましたが、バーチャルって素晴らしいと初めて思いました」と入院生活中のWi-Fi環境の必要性を力説した。

 病室WiFi協議会が初めて行った全国調査では、全国の拠点病院・主要病院全563施設のうち、全病室でWi-Fiが使える施設は全体の20%にとどまり、まったく使えない施設が47%に上ったという。協議会はこの日、全国の無料Wi-Fiがつながる病院名のリストや都道府県別の導入率を公表。宮城県や広島県では導入している主要病院が一つもないことも明らかになった。

 協議会の働きかけにより、Wi-Fi導入へは厚生労働省から補助金が出るがその申請期限が今月30日に迫っている。世界的な半導体不足により、Wi-Fi通信に必要なアクセスポイントの納品が間に合わないケースも増えているといい、笠井は「Wi-Fiは今や娯楽にとどまらぬライフライン。多くの病院が申請することで申請期限が延びることもある。横浜刑務所では受刑者への面会中止は人権侵害だと弁護団が訴えを起こした。入院患者だって同じです」とWi-Fi導入の必要性を訴えた。

次のページへ (2/2) 【表】「今や娯楽にとどまらぬライフライン」全国、全病室で無料Wi-Fiを使える病院一覧
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